HOME > 法律コラム > ハロウィンのために気合を入れて用意した、本物ソックリな警察官のコスプレ。まさかリアル過ぎて犯罪?!
ハロウィンが近づいてきました。
お店やネット上でも段々と話題になりつつ有ります。
さて、ハロウィンでここぞとばかりに気合を入れて警察官ソックリのコスプレを用意したとします。
誰がどう見ても警察官に見えるほどリアルだった場合、これって犯罪なのでしょうか?
小野智彦弁護士に話を聞いてみました。
これは、軽犯罪法に違反することとなります。
軽犯罪法1条15号に「資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくはこれらに似せて作った物を用いた」者を拘留または科料に処する旨の規定が定められています。
これは、制服に対する一般公衆の信頼を保護するため、つまり、警察官であれば、警察官の制服に対して、本物の警察官であると認識して、一般人は「助けを求められる人だ!」「迷子になったら道を尋ねられる人だ!」と信頼する訳で、同じ制服を着た偽警察官がウロウロしていいということになると、一般人は誰を警察官として認識して、信頼してよいのかがわからなくなってしまい、戸惑ってしまうので、そういうことを防がなければなりません。
警察官の制服は、まさに法令により定められた制服(警察法70条)であり、コスプレをするのは、これらに似せて作った物を用いることになるわけですので、まさに軽犯罪法に当たるわけです。
ただし、家の中で着て個人的に楽しんでいる分には、一般公衆の信頼ということを考慮する必要はありませんので、犯罪にはならないということになります。
警察官の制服を着て、公道でウロウロするということになりますと、一般公衆の信頼を考えなければならないのですが、テレビドラマや映画での出演ということであれば、カメラや撮影機材、スタッフなどにより「撮影」だということが明白ですので、一般公衆もその人を本物の警察官だと認識することはありませんし、舞台上の警察官も同じく一般公衆は警察官役の役者さんとしか認識しないわけですから、一般公衆の信頼を考慮する必要はなくなります。
従って、この場合には、犯罪にはなりません。