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【クイズ有り】「そもそも人はどうして税金を払いたくないのか?」を行動経済学から解説!

「税金は多くてもいい」と考える方は恐らくいらっしゃらないでしょう。

特に経営者の方であれば、少なければ少ないほどよいと考えている筈です。
24時間365日を会社に捧げ、やっとの思いで利益がでたとしても、納税しなければなりません。更に、数年に1回の税務調査で追徴課税を命じられることもあり得ます。

「稼いだ以上に持っていかれる」というのが税金に対してのイメージではないでしょうか?

さて今回は「何故人は税金を払いたくないのか?」について行動経済学から振り返ります。

突然ですが問題です(スクロール注意)

突然ですが行動経済学では非常に有名な問題を御覧ください。

ちなみに明確な答えが1つだけあります。

【問題】
それぞれ100円を持つ5人が、100円以内で自分の好きな額だけ出資します。
5人の出資額はその後2.5倍に増え、それを全員に均等に振り分けます。
さて、あなたはいくら出資しますか?

【ルール】
(1)出資する金額は100円以内であれば自分で決めることができます。
(2)他の4人と出資額の相談や、他の人に対して意見はできません。

【ヒント】
(1)出資された金額は必ず2.5倍に増え、利益は必ず均等に分配。
(2)経済合理性が高いのは「少ない出資で、最大の利益」です。


答えはわかりましたか?

答えは0円です。

自分は出資をせずに、他の4人が出してくれれば、自分は何のリスクもなく利益を得ることができるのです。

この問題は、税金のことをうまく表現しています。

みなさん「できることなら税金を納めたくない」と考えていると思いますが、その理由は「自分が税金を払わなくても、他の誰かが払えば、道路などのインフラは整うし、24時間警察が治安を維持し、近所に公園も作ってもらえる」という気持ちを持っているからなのです。

「自分が納税しなくても国民としての利益だけは享受したい」という考えが、経済合理性としては最も高いので、しょうがないといえばしょうがないのかもしれません。

税金を払いたくない理由

また、税金を払いたくない大きな理由は「税金が見返りのないコスト」という感覚があるからです。

勿論、税金は国を運営するために絶対必要であることは理解していると思いますが、例えば経営者であれば、会社のことを考えると、税金を支払っても何もしてくれないコストだと感じてしまうのです。

電話代を払えば電話が使えます。広告費を払えば売上が上がります。給料を払えば、従業員が会社の為に働きます。

では税金を払えば、誰が何をしてくれるのか?という、常に費用対効果を考える方からするとこの思いは当然かもしれません。

例えば100万円の税金を払うとなると、利益250万と売上2500万が必要となります!
(法人税などの実効税率を40%、利益率10%と仮定)
逆に100万円節税できれば、2500万円の売上を上げることと同じ価値になります。

海外への移住や、会社を海外に移転など、このところ増えているようですが、この傾向もうなずけますね。

執筆  久保憂希也            
1977年 和歌山県和歌山市生まれ
1992年 智弁学園和歌山高校入学
1995年 慶應義塾大学経済学部入学
2001年 国税庁入庁 東京国税局配属
東京国税局管内の税務署で税務調査を担当。
2008年 ㈱InspireConsultingを設立。税務調査のコンサルタントとして活動。
人気のセミナー講師として年間50回以上、セミナーの壇上に立つ。
著書には、「~元国税調査官が斬る~税務調査の真実」「元国税調査官が解説
実例・判決で学ぶ税務調査の深奥」「元国税OBによる税務調査と実務対応」「社長、御社の税金は半分にできる!」
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