HOME > 法律コラム > 「起業はどの士業に頼むべき?」スタートアップ起業の決定版を弁護士が解説!
中小企業庁が2014年に発表した中小企業白書によると、高齢化に伴い中小企業や小規模事業者は年々減少しています。また日本の開業率は欧米諸国と比較しても大変低く推移しており、起業希望家自体も同様です。
ちなみに起業希望家と起業準備者、初期起業準備者は1982年に332万人おりましたが、2012年には167.9万人となっています。
起業を促進することによって、産業の新陳代謝と経済の活性化の両面で非常に有効だと言われていますが、今回は会社設立の煩雑な業務をどの士業に頼むべきかなどの注意事項を企業・ベンチャー法務に詳しい星野宏明弁護士に聞いてみました。
設立する会社の種類にもよりますが,株式会社の場合,以下のような流れとなります。
(1)商号・業務内容決定
(2)会社印,代表者印の作成
(3)定款作成
(4)定款の認証
(5)出資金の払込口座の開設と払込み
(6)設立登記の申請
費用は,登録免許税等の役所に納める実費だけで20万円程度かかり,弁護士や司法書士に依頼する場合は,代行手数料として5万から10万円ほどかかるのが通常です。
設立手続は,弁護士の他,司法書士にも頼むことができます。
専門家に頼むメリットは,何といっても,煩雑な手続を代行してもらえるので,営業や開業準備といった本来業務の遂行に集中できることでしょう。
デメリットは,代行手数料がかかる点ですが,それも自分で手続するとかかる定款認証の費用等が専門家に頼むと実費が安くなるので,総額では自分で手続きする場合と比べて費用が増えないことも多いです。
格安の設立代行パックプランを容易している士業もあります。
ちなみに弁護士に頼むのが一番高そうというイメージがあると思いますが,会社設立に限らず,業務内容が同じであれば司法書士や行政書士と弁護士の報酬はほとんど変わりません。
むしろ,近年では,司法書士の方が料金が高いことも珍しくありません。
弁護士に依頼した場合,開業後の法務相談も包括的に受けられるというメリットがあります。
まず,ネットなどで情報広告を掲載している事務所は,有料で広告を出していますので,CMと同じで専門性をうたっていても必ずしもそのとおりだとは限りません。
広告ですから,専門性・得意分野は「自主申告」でしかありません。
広告や士業紹介サイトの管理者が作成した「ランキング」「得分野」「専門分野」「お薦め事務所」といった情報は,いずれも広告費用と連動した自主申告ですので,過信しないように注意して下さい。
事件処理の仕方は同じでも,士業も人間ですから,性格は千差万別です。
できれば知人などの紹介で事務所に行くのが一番理想ですが,どうしても紹介してくれる人がいない場合でも,広告は過信せず,面談して事務所との相性を検討して下さい。