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知らずに損しているアルバイトの有給!全ての労働者の権利「有給」を弁護士が解説!

厚生労働省が発表した「平成23年就労条件総合調査結果」(有効回答企業数4296社)によると、平成22年の1年間に労働者が年次有給休暇を付与された日数は17.9日、それに対して取得した日数は8.6日、取得率は47.1%という数値になりました。

多いと感じるか少ないと感じるかはそれぞれかと思いますが、この有給について、実はアルバイトにも認められているということを知らない方が多いようです。

今回はそんなアルバイトやパートタイマーの方々にとっては必読の「年次有給休暇」について労働問題に強い加塚裕師弁護士に話を聞いてみました。

有給休暇を取得できる「労働者」とはどのような人のことをいうのでしょうか。

労働基準法上の労働者については、同法9条に定義規定があり、「職業の種類を問わず、事業又は事務所・・・に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」とされています。
ここでのポイントは、「使用される」の意味内容であり、一般的には使用者の指揮命令に服して労働すること(使用従属性)、と解釈されています。
このように考えると、労働者生の判断は、使用者と労働者との間の契約の名称や形式ではなく、労働実態に即して判断されるべきことになり、使用従属性が認められれば、例えば契約形式が請負や委任であっても労働者該当性が認められることになります。

有給休暇を取得するためにどのような要件を満たせばよいのでしょうか。

年次有給休暇の権利は、その雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して付与されます(労働基準法39条1項)。
付与される日数は10日間であり、その後継続勤務期間が伸びる都度付与日数が増加し、最大で20日間(6年6ヶ月継続勤務後)になるまで認められます(同条2項)。

また、所定労働時間が正規従業員よりも短いパートタイマーやアルバイトの労働者については、比例的に付与日数が定められています。
まず、所定労働日数が週4日ないし年216日を超える者または週4日以下でも所定労働時間が週30時間以上の者は、正規従業員と同様です。他方、所定労働日数週4日以下・週30時間未満の者、年216日以下の者は、週、年の所定労働日数と継続勤務年数に応じて1日~15日の有給休暇が認められます(労働基準法施行規則24条の3に詳細が定められています)

取材協力弁護士  加塚裕師 事務所HP
愛知県弁護士会所属。加塚法律事務所代表。債務整理、相続、労働問題など幅広く対応。「相談して、本当に良かった」と思って頂けるような親切丁寧な対応を心掛けています。また初回のみ相談料はかかりません。

ライター 北邨勇太