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気になるあの人を無音写メで隠し撮りして大事に保存。でもこれって実はイケないこと?

フィンランドにある大手電気通信機器メーカーの「NOKIA」が、約2000人のイギリス人を対象に行ったアンケートによると「約1割の人が、公共の場で見かけた気になる異性を携帯のカメラで隠し撮りしたことがある」という衝撃の結果を発表しました。

スマホカメラは日々進化しており、現在では無音で撮れるアプリも沢山あります。
ちなみに無音で撮る主な目的は「眠っている赤ちゃんを撮る」や「音に敏感なペットを撮影するとき」、「静かな場所で撮影するとき」などとされておりますが、やはりそれ以外の目的で使用する方もいるようです。

今回は気になる人を、本人の許可無く隠し撮りすることは、何かの法律に触れるのかどうかを理崎智英弁護士に聞いてみました。

誰にも見せずに自分だけが楽しむためだけの写真なら、本人の許可無く写真を取ることは問題ありますか?

本人の許可なく写真を撮る行為、いわゆる盗撮行為は、撮られた人の肖像権やプライバシー権を侵害する可能性があります。
このことは、たとえ誰かに写真を見せることを予定しておらず、自分だけが楽しむために撮影する場合であっても同様です。
ただし、公道等のパブリックスペースで撮影する場合と自宅やその敷地内というプライベートスペースで撮影する場合とでは、権利侵害の度合いが異なります。
すなわち、公道というパブリックスペースは、本来、他人から見られることが想定されており、プライバシー保護の要請が低いため、そこで写真撮影されたとしてもプライバシー侵害の程度も低いということになります。
一方、自宅内やその敷地内は、もっともプライベートな空間であり、本来、他人から見られることを想定されておらず、プライバシー保護の要請が高いため、そのような場所で写真撮影された場合には、プライバシー侵害の程度も高いということになります。
例えば、あるマンションに住む女性がベランダに出ているタイミングを狙って盗撮した場合、ベランダは、自宅内部でもなく、かといって公道等のパブリックスペースでもありません。
もっとも、ベランダは、自宅の一部であり、プライベートな空間であることは変わりませんので、自宅に準じたプライバシーの保護が要請されるものと考えます。
そのため、ベランダの人を盗撮するといった行為は、撮られた人のプライバシー権を侵害し、損害賠償の対象になるものと考えます。

取材協力弁護士  理崎 智英 事務所HP
東京弁護士会所属。福島で被害者救済支援センター委員を務め、現在は高島総合法律事務所に所属。離婚や男女トラブル、相続問題、債務整理などに取り組んでいます。

ライター  佐藤絵里 Facebook Twitter Twitter