HOME > 法律コラム > 有給申請の最大の敵は「空気」。もしも取得によって不当な扱いを受けたら?
11月13日に厚生労働省が発表した「平成26年就労条件総合調査」によると、1年間に企業が付与した有給休暇日数(繰越日数は除く)は、労働者1人につき平均18.5日でした。それに対して、実際に有給を取得した日数は9日、取得率は約50%でした。
政府は働き方改革を掲げており、2020年までの目標として取得率を70%に設定していますが、現状では上手くいっていないことが浮き彫りになりました。
さて、この有給取得率を上げるための最大の敵、それはズバリ「空気」ではないでしょうか。今回はそんな「空気」を読まずに有給を申請し、もしも会社から酷い扱いを受けた場合、どう対応するべきかを労働問題に強い加塚裕師弁護士に聞いてみました。
使用者は、有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱をしないようにしなければならないとされております(労働基準法136条)。
もしも有給休暇の申請により不利益な取扱を受ける恐れがあるのであれば、労働基準監督署に相談ないし申告をされるとよいと思います。
労働基準監督署の職務は、労働関係法規が守られるように使用者を指導監督する権限を有していますので、まずは労働基準監督署を利用されるのが得策だと思います。