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目撃者もいなければ、お互いの言い分が全く違う交通事故ってどうなるの?

交通事故は突然身に降りかかってくるものです。
事故によるショックだけでなく怪我の治療や入院、また保険の手続きと、相当な負担がかかることは間違いありません。また提示された保険金額に納得できなければ、相手方弁護士との交渉も必要になり、解決が難しければ調停や裁判へと話しがすすむことも十分考えられます。
ちなみに事故によって生じた損害は過失の割合で決められますが、もしも目撃者がいない事故だとしたらどうなるのでしょうか。それぞれの言い分だけで決められるとするならば、食い違った場合はどうやって過失割合をきめるのでしょうか。今回は飛渡貴之弁護士に聞いてみました。

目撃者がいない交通事故はどうやって処理していくのでしょうか?

お互いの言い分が違う、違うどころか全く反対ということは結構あります。
どちらかが嘘又は勘違いをしているということになるのでしょうが、目撃者やドライブレコーダー等お互いの言い分以外に証拠がない場合は、真実は神のみぞ知るとなります。

その場合どちらの言い分を採用するのか。どちらがその事実を立証するのか、いわゆる立証責任の問題となります。
なんらかの請求する時、請求する側が、その請求する権利の存在を主張立証しないといけないというのが原則です。「貸した金返せ」と請求するときは、請求する側が、金銭消費貸借契約があったこと等を立証します。請求された人が、「金なんて借りてない」と立証するということになると、請求された人は大変です。金を借りていないことを立証するのは難しいです(金銭消費貸借契約がないことを示す書類なんてありません)から、請求する人が立証するとしなければ不公平です。そんなことしたら、架空請求が後を絶たないでしょう。だって、借りた人が借りていないことを立証できないですから、請求した者勝ちになりますもの。

さて、人身事故に話を戻すと、上記の原則でなく、自賠責法により、過失の立証責任は請求を受ける人(加害者)となっています。請求を受ける人(加害者)に立証責任を負担させることで、請求する人(被害者)を保護するためですね。ですから、請求を受ける側が、過失がないことの立証をする必要があります。

取材協力弁護士  飛渡貴之 あい湖法律事務所 Blog
滋賀弁護士会所属。大学卒業後にメーカーにて企画開発に5年携わる。その後、一念発起して土地家屋調査士、司法書士、弁護士の資格を取得し独立開業。一般企業での勤務経験によって得られた「お客様目線」を忘れずに、親しみやすい弁護士であることを心がけています。土日祝日も対応可能。

ライター 稲岡