HOME > 法律コラム > オレオレ詐欺の受け子と知らず、高時給に釣られいつの間にか犯罪の加担者!?知らなかったで済まされる?
オレオレ詐欺を行うグループにはそれぞれ役割が分担されています。
電話をかけて金を要求する「掛け子」、振り込ませた銀行口座から金を引き出す「出し子」、振り込ませずに直接会って現金を受け取る「受け子」等があります。
ネット上の裏求人サイトでは「出し子」や「受け子」の仕事が複数掲載されています。高時給に釣られて、いつの間にか犯罪の加担者になってしまい、逮捕されたという事例も近年増えています。
さて今回は、違法行為だと知らずに、いつのまにか犯罪の加担者になってしまった場合、どうするべきなのかを寺林智栄弁護士に話を聞いてみました。
このようなケースでは、「違法行為だと知らずに」という言い分が通用することは、まずないといっても過言ではありません。多くは、オレオレ詐欺や投資詐欺のいわゆる「受け子」の役割を担わされているもので、裁判になっても、薄々そのような犯罪ではないかと勘付いていたと認定されることが多いのが実情です。そうすると、詐欺罪が成立することになります。
オレオレ詐欺や投資詐欺に対する処罰は最近厳しくなっており、受け取ってきた金額や、その中から自身が得た報酬の金額など諸々の事情によっては、たとえ初犯であっても実刑判決を受け、服役しなければならない場合もあります。
「後々分かった」時点で、まだ、そのような仕事をしていたのだとしたら、即刻やめるべきです。今まで連絡が来ていた電話番号やメールアドレスを全て着信拒否にして、二度と接触しないようにすべきです。
そして、後々逮捕される可能性がある場合に備えて、自分が得た利益分くらいは返せるようにお金を確保しておきましょう。
本来であれば、単なる「受け子」であったとしても、被害者に対して全額を賠償すべき義務を負いますが、多額になっている場合にはそれも難しいでしょう。まずは、得た利益分くらいはすぐに返還できるように用意しておくべきです。
なお、このような事件では、組織の誰かが捕まることにより、芋づる式に関係者が逮捕されることが多いといえます。いつなんどき逮捕されるかわからないということを覚悟しておく必要があります。