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海外では「損害賠償で一攫千金!?」のようなことが度々有りますが、日本でも有り得るのでしょうか?

海外であった、驚き裁判物語...。
一度はあなたも聞いたことはあるのではないでしょうか。

ペットを電子レンジにかけたらペットが死んだ。
その旨を注意書きや説明書に書いていなかったとして飼い主がメーカーを訴えた!?

某有名ハンバーガー店でのコーヒーが熱すぎて火傷!
損害賠償請求!

特にアメリカは訴訟大国として多くの人が認識していますが、なぜこんなに裁判が多いのか?
それは日本における裁判とアメリカにおける裁判の考え方の違いによります。
そのうちのひとつの例を手に取って今日は裁判は果たして得なのか!?を考えてみたいと思います。

ハンバーガー店を例に見るアメリカ的裁判

この裁判の結果ですが、ファーストフード店側はその客に、日本円にして5200万円支払いました。
額だけ見るとエエエ!?となりそうですよね。

実は理由があります。

実はこの裁判には二つの大きなポイントがあります。

①被害者は皮膚移植をしなければならないほどの重度のやけどを負った。
②前々から付近の住民からその店のコーヒーが熱すぎるという苦情が寄せられていた。

ですが、それを踏まえてもこの金額は高すぎる、と考える方もいらっしゃるかもしれません。

アメリカの裁判における損害賠償とは

アメリカの裁判には懲罰的損害賠償という考え方があります。

懲罰的損害賠償...日本の裁判ではあまり耳慣れない言葉です。

その意味とは、「単純にその人が被った加害者に支払わせるという意味だけではなく、
二度と同じことをしないように制裁を加える意味で、加害者にとって制裁となるような金額を加算するという考え方」(「『アレ』はなぜ合法なのか?」間川清 経済界)を指します。

この考え方、ある意味でデメリットも大きいといえます。
電子レンジの裁判例でもあるように、多くの人が言いがかり的な裁判を起こしている現状もあります。

ですが、それらを含めても、アメリカでは裁判は社会的に必要な公的機能として考えられているように思います。

アメリカにおける裁判とは、当事者が権利を主張するためだけでなく、同時に他の人々の権利を守り続けるためのものとして強く意識されているといっても過言ではないでしょう。

日本で裁判を起こすことに対しての金銭的メリットは?

もちろん、日本の裁判ではこの「懲罰的損害賠償」という考え方は取り入れられていません。

では日本で裁判を起こした場合、裁判でかかる実費と、勝訴によって取得する金額はどのようになるのでしょうか。

右図は端的に示した割合です。

例で、100万円の請求訴訟をしたとして
・手取り取得額が約70万円
・訴訟実費(事務手続きなど)が約5万円
・弁護士報酬が約25万円
といったかたちにしめされてくると考えられます。
(「相手を訴える法律知識」自由国民社より)

また、基本的に裁判は長引くことが多いです。3年以上続く訴訟裁判も少なくはありません。

日本では、弁護士の方に事前に相談し、時間とコストを比較して裁判を起こすのが適当といえそうです。

執筆  ハルノ ミチ