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一般人による心臓マッサージで亡くなった場合、傷害致死や殺人に問われるの?!

消防庁が発表した「平成25年版 救急・救助の現況」によると、応急手当講習の修了者数は平成21年以降4年ぶりに増加。また、それに比例して救急現場に居合わせたバイスタンダー(発見者や同伴者)による応急手当も平成24年に過去最高となりました。
更に救急搬送された心肺機能停止傷病者の内、一ヶ月後の生存率及び社会復帰率は共に増加傾向をたどっていますが、バイスタンダーによる応急手当が入ったケースとそうでないケースでは1.9倍の救命率の差がありました。

もしも自分が応急手当をしなければならない状況に直面したらどうしますか?しっかりとした知識は当然必要ですが、良かれと思ってやった心臓マッサージによって運悪く亡くなってしまった場合、傷害致死や殺人の罪にとわれてしまうのでしょうか。木川雅博弁護士に話を聞いてみました。

心臓マッサージをして、それが原因で亡くなってしまった場合、何かの罪に問われるのでしょうか?

心臓マッサージをしたことが原因で亡くなってしまった場合、理屈としては殺人罪や傷害致死罪に問われる可能性があります。
もっとも、倒れている人に反応や自発呼吸がない場合など心臓マッサージを行う必要性があるときには、よほど誤った方法(不必要に強い力で誤った箇所を押して胸骨を折ろうとしたときなど)でなければこれらの罪に問われることはないといえます。なお、東京消防庁では素人でも心臓マッサージの必要性を判断できるようにガイドラインが定められていますが,自信のない場合にはまずは救急車を呼びましょう。
このことは暴行や傷害の加害者であっても基本的には同じですが、心臓マッサージが成功せず被害者が亡くなってしまった場合には殺人罪や傷害致死罪に問われることもあります(参考:札幌地判平成19年8月31日)ので、被害者を助けたい場合にはまず救急車を呼びましょう。

取材協力弁護士  木川雅博 事務所HP
東京弁護士会所属。星野法律事務所所属。平成23年に早稲田大学大学院法務研究科を修了した後、通信会社の法務・安全衛生部門に勤務。その後司法修習を経て、現事務所に入所。弁護士会では不動産法部や家族法部、相続遺言部などの会員として活発に活動。一般民事から企業法務、刑事事件など幅広く対応可能。弁護士を「身近な存在」として認識してもらえるように、日常生活における法律問題のコラムを多数執筆中。

ライター 大田タケル Twitter Blog