HOME > 法律コラム > 親から1億円以上の相続をしてみてわかった4つのこと
親が亡くなると、問題になるのが相続です。
私の場合、親は自宅のマンション、土地とアパート、現金、証券など、大きな遺産を遺してくれました。
兄と二人兄弟ですので、兄弟で遺産相続となる訳ですが、相続税が幾らになるのか、素人には当然わかりません。
まずは相続の相談が出来る税理士さんを探すことからスタートしました。
偶然ですが親は個人事業主として働いていたので、顔見知りの税理士さんが居ました。
そして、その税理士さんから相続に詳しい別の税理士さんを紹介していただきました。
税理士さんとの初回の打ち合わせで、相続の手続きを進めるために何が必要かを書き出した書類をいただきました。
こちらからは相続することになる自宅のマンション、土地とアパートなどがあると伝えました。すると、マンションとアパートの建物の見取り図や土地の評価証明書が必要だと教えてくださいました。
現金がどのくらいとか、証券がどのくらいの価値があるのかも重要でしたが、一番私たちが心配したのはアパートの土地と建物でした。
一体相続税はどのくらい支払わなければならないのか、皆目見当がつかなかったからです。
当時は相続税法の改定前で、相続人一人につき七千万円まで控除されていました。ポイントになったのは土地の評価証明書でした。7月に路線価が改定されるため、7月まで実際に必要な相続の手続きの作業が始められなかったのです。
また、銀行と証券会社や保険会社にも親の死亡を報告しなければなりません。
実際、すぐに銀行と証券会社、保険会社には連絡しましたが、困ったことに銀行では親の口座は即日で凍結されました。
預金をおろすためには、親の生まれてから死ぬまでの全ての戸籍謄本が必要でした。
証券会社でも、全く同様で、親が遺してくれた証券を相続するためにはやはり戸籍謄本を全て揃えて、提出しなければなりませんでした。
親は茨城県出身で、その後何度も引っ越しも繰り返していたために、戸籍謄本を全て揃える作業も一筋縄では行かず、苦労したことをよく覚えています。
7月に入ってから都税事務所に出向き、土地の評価証明書を無事に入手することが出来ました。
そして、必要な書類が全て揃い、税理士さんと打ち合わせをしました。必要な書類さえ揃ってしまえば、あとは全て税理士さんにお任せすることが出来ます。
税理士さんは兄と私の相続分がほぼ均等になって、相続税も出来るだけ安くて済むように尽力してくださいました。税理士さんとの初回の打ち合わせで「相続税はそんなに高くなくて済むから、安心しなさい」と言われてはいましたが、実際どのくらいの額になるかは、やはりきちんと計算してもらわなければわかりませんから、ずっと不安な毎日を過ごしました。事実、私は少しでもお金を作ろうと、本やレコード、ギター13本を売り払ったほどです。
実際に支払った相続税は約350万円でした。
結果論ですが、その程度の額で済むのだったら、ギターも本もレコードも売らなくて済む金額で、私個人の預金で十分に賄えたので、ギターを売ってしまったことに関しては特に後悔しています。
金融資産だけでなく不動産も遺産に含まれていたために、もっと高額の相続税を支払わなければならないものとばかり思っていました。
相続が全て無事に終わって思うことは、誰もが素人な訳ですから、やはり相続に詳しい税理士さんをまずは見つけることが肝心だと思います。