HOME > 法律コラム > 「破産と倒産」の違いを答えられますか?弁護士が教える正しい「倒産」!
安倍政権は、平成26年の倒産件数が1万件を割り込んだことを「アベノミクス効果」とアピールしています。事実、それを裏付けるように、平成26年はバブル期以来24年ぶりに上場企業の倒産がゼロと帝国データバンクが発表しました。
そして、それと同時に自己破産の件数も平成15年の25万2千件をピークに年々減少し、平成26年の破産件数は72913件となり、直近15年間では過去最低となりました。
確かに以前ほど「破産」や「倒産」という文字を見かけることは少なくなったかもしれませんが、そもそも「破産」と「倒産」はどこがどう違うのかご存じですか?意味の違いを分からずに読み飛ばしていませんでしたか?今回は「倒産」についてどういう状態を意味するのか、またそれに関連して経営悪化でなくても倒産することがあるのかどうかを塩澤彰也弁護士に話を聞いてみました。
一般的には、企業が、債務を返済できなくなり、営業を続けることが難しくなることを言います。
手形を使用している企業などについては、「6か月以内に2度の手形不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けたとき」に「倒産」と言ったりもします。
倒産状態になった企業が、債権者らへの弁済のための処理ないし手続きを行う場合に、私的に整理する場合と、法的に整理する場合があります。また、再建を目指して行う場合と、清算を目的に行う場合があります。
法的な整理で、清算を目的とするものが、破産手続きであり、破産は、倒産の中の一類型にすぎないのです。
自分の会社の商品がよく売れているなど、経営状態は悪くない場合でも、倒産することはあります。
納入先が倒産して、その売掛金が回収できなくて、部品の仕入れ先に支払いができなくなるような場合です。このように、連鎖的に倒産することを、連鎖倒産と言います。