HOME > 法律コラム > 弁護士が教える、実生活でも役に立つ「証拠」の取り扱い方
ある日突然解雇を言い渡された、退職するよう圧力をかけられた、あるいは、ちょっとしたミスから法外なお金を請求されるようになった、夫が浮気をしているようだ。などなど、普通に生活していても、ある日突然、トラブルに巻き込まれてしまうことがあります。
そういう時、弁護士を頼って対処してもらおうとしても、「証拠がないから無理ですね」と言われて悔しい思いをすることも少なくありません。
そこで、今回は、そういう場合に強い証拠は何か、そして、一般の方でも簡単にできる証拠の集め方などについてお話しします。
このようなトラブルで一番強い証拠は、トラブルが発生したまさにその時のことを記録しているものです。
例えば、まさに言われているときのその状況を録音しておくということがあげられます。相手の許可を取る必要はありません。許可を取らなくても、処罰されることはありません。会話は一方当事者が録音を了承している場合には、違法な盗聴にはならないのです。
また、相手から送信されてきたメールやLINEなどSNSのメッセージも証拠になります。日付日時も残り、いつ何と言われたか記録されますから、非常に有効です。
ただ、SNSについては、比較的短期間で消えてしまいますので、写真に撮っておくなどして保存しておくことが必要です。
例えば、解雇や不当請求があった日に、会社の日報や日記にそのことを記載しておいた場合、友人や同僚にメールをしていた場合、そこに書いてある内容も(1)ほどではないにせよ、強い証拠になります。
つまり、証拠としての強さは、事件が起こった時からどれくらいの間にその記録が作られたかにかかっていると言っても過言ではありません。
裁判にするからと言って、後で思い出して書いた書面などは、記憶間違いなどもありうるため、証拠としては弱くなってしまいます。
せっかく取った証拠も後で消えてしまっては元も子もありません。
メールやSNSの画面を撮影した写真などは、できるだけ早くプリントアウトして「紙」にして残しくか、あるいはUSBやSDカードに保存するなどしておきましょう。
録音もスマホなどで行った場合には、やはりUSBなどに保存しておくことが必要です。
弁護士に相談する場合には、証拠は全て持参していくようにしてください。残っている証拠の強さとその量によって、あなたの身がどれだけ守られるのかが決まります。