HOME > 法律コラム > 【弁護士秘伝】普段から気をつけている契約書や規約で見るべきたった2つのポイントとは?!
「なんだからよくわからないし、長いからもういいや」ーーこんな感じで利用規約に同意したり、誓約書や契約書にサインをしたことはありませんか?もしもそんな軽い気持ちでサインし、それが自分にとって不利な内容であったとしても、何か問題が起こってしまったら、もう後の祭りです。
今回は、弁護士が仕事だけでなく、普段のプライベートから気をつけている契約書や誓約書、ネット上での規約同意で気をつけているポイントをまとめてみました。寄稿して頂いたのは弁護士法人 川原総合法律事務所の代表である川原俊明弁護士です。
自動車の任意保険、生命保険に加入する場合、契約書自体は簡単な文言だけの場合が多いようです。しかし、別途、約款という分厚い説明書が添付されてきます。約款受領にあたり、「受領しました」「内容を確認しました」「同意しました」の箇所に署名を求められます。
ネット販売の場合、物品購入画面に至るまでに契約条項がやたらと長く続き、最後に「同意」チェックをしないと、次の購入画面にたどり着けません。これらの「同意」作業によって、約款も契約内容の一部となります。
いままで民法には、この点の直接の条項が明記されておらず、「読んでいない」「説明を聞いていない」「理解していない」など、契約上の争いが発生していました。
最近、民法改正案が浮上し、明治時代に成立した民法の本格的改正が120年ぶりに実現されそうです。
改正案では、約款に関する定めがあり、「同意」があれば事前に「合意」があったものとされることが明記されるようになります。
それであればなおさら、契約書のどのようなところに注意すればよいのでしょうか。
取引が順調に進んでいる場合には、極端な話、契約書の必要性は感じられません。逆に言えば、こじれる場合にこそ、契約書面が効力を発揮するのです。
ポイントの一つはここです。
契約がスムーズにいかない場合、契約を終わらせる場合、どんなペナルティがあるか、です。
賃貸借契約で、賃料不払いの事態に陥った場合、「賃料の倍額」を支払うことが当然のように記載されていることがあります。これも当然ではないので、「賃料相当額」に変更されるべきです。不履行条項も要注意です。
契約の中途解約場面も、消費者に不利益条項が付される場合がありますので、要注意です。
某携帯会社の2年間拘束期間も問題です。2年間という契約期間を一日でも経過すれば、さらに2年間拘束状態が自動的に継続してしまいます。それを中途解約すると違約金が発生します。
今回の民法改正案では、消費者の利益を不当に害する内容を無効としています。おそらく、中途解約の不利益は改善される余地がありそうです。