HOME > 法律コラム > え?B型は100%不採用?血液型で採否を決めるなんてありなの?
「当社の社員は全員A型で几帳面なんですよ。仕事では細部にまでこだわって貰いたいんだけど、そういう意味でもA型の人に向いてるんだと思う。今まで何度かB型も採用してきたんだけど、みんなすぐに辞めちゃってね。で、おたくは何型?」ーー中途採用の面接で、まさかの血液型の質問。
もしも自分がB型だとしたら、口が裂けても明かすことは出来ないだろう。
ちなみに血液型による性格判断は、科学的には何ら根拠がないとされており、ブラッドタイプ・ハラスメント(ブラハラ)と呼ばれて、社会問題にまで発展している。
さて今回は、面接において採用の判断材料とは無関係な質問することが、何かの問題になるかかどうかを川瀬裕之弁護士に聞いてみた。
「面接は採用活動の一環として行われますので、採用基準として相応しくないことを聞いてしまうことはNGです。では採用基準として相応しくないこととは何か、大きく分けて三つ考えられます」(川瀬裕之弁護士)
「一つは、応募者個人にはどうにもできない事柄のことで、例えば出生地や家族構成、生育環境等に関することなどが挙げられます」(川瀬裕之弁護士)
「二つめは、思想信条に関わることで、例えば支持政党や宗教などが挙げられます」(川瀬裕之弁護士)
「三つ目は、プライバシーに関わることで、結婚や交際相手の有無、血液型等を聞くのもNGです」(川瀬裕之弁護士)
驚くことに、血液型だけではなく結婚しているかどうかも、採用においては無関係なので質問されるいわれはないとのこと。とはいえ、中小企業や人員の少ない会社の場合、社長や同僚になる社員との相性や好みなどは、かなり重要視されているのが現実だ。
「面接を受ける側の立場から言うと、質問を拒否することによって不採用につながるのではないかと不安に思うでしょう。しかしそのような不安は置いておき、 答えたくないことについては、質問をうまくはぐらかしたり、丁寧にその質問に対する答えを断ったりすれば良いと思います。それでも答えを求めてくるような会社であれば、入らない方が良い会社です」(川瀬裕之弁護士)
転職希望者にとって“面接”こそが会社選びの重要なポイント。
どうしても採用する側が優位のようなスタンスになりがちだが、応募する側にも選ぶ権利がある。入社してから後悔しないためにも、へりくだり過ぎず自分に合った会社を見極めたい。