HOME > 法律コラム > ロバート山本さんが激怒した旅館Tweet問題。芸能人と一般人の肖像権・プライバシー権の違いを弁護士が解説!
最近、ロバートの山本さんが温泉旅館にいたところをツイートされたり、キャリーぱみゅぱみゅさんが無断で写真を撮られたといったニュースがネットで取り上げられるなど、芸能人や有名人の肖像権やプライバシー権が話題になっています。芸能人や有名人にも肖像権やプライバシー権が保障されることとなるのでしょうか。
肖像権とは、みだりに自分の姿を映した映像や画像を公開されない権利です。プライバシー権とは、自己の私生活に関する情報をみだりに公開されない権利です。
ふたつとも、憲法第13条によって保障されると考えられています。
国などの機関によって容姿や私生活に関する情報が公開されないことが保障されているだけでなく、個人と個人(あるいは会社などの団体)との関係でも、容姿や私生活に関する情報が本人の許可なく公開されてはならないと考えられています。
芸能人が仕事を離れたプライベートの場面では、一般人と芸能人との間で、保障に差はないと考えるべきでしょう。
確かに、芸能人は、テレビなどのマスメディアに登場し、私生活に関する話題も口にすることがあります。
しかし、このような事情をもって、いつどんなときでもその容姿を世間にさらして私生活を暴露されても構わないなどと了承しているわけではありません。
確かに、テレビなどのメディアに登場したり、屋外でイベントなどに参加している際には、肖像権やプライバシー権が守られる程度は一般人よりかなり低くなりますが、それ以外の場面では、一般人と同じように保障されるのです。
芸能人のプライベート情報や画像を無断でツイートしたりネットに流出させた場合には、それによる経済的損失に関する損害賠償や精神的な苦痛に関する慰謝料を請求される可能性があります。
特にロバートの山本さんの件に関しては、報道によれば、ツイートしたのが旅館の関係者である可能性が高いとのことです。もし、そうであれば、実際に流した本人を特定できなくても旅館の経営者に対して使用者としての責任を問うことができます(民法715条)。
また、個人的には、ツイートなどの場合、TwitterなどSNSの運営会社が責任を問われる可能性もあり得るのではないかと考えます。そうなると、SNS側が情報を流した本人を特定できる場合には、事後的に本人に対して支払った金額の何割かを請求するという事態も想定できます。
以前、江頭2:50さんが「芸人だって人間なんだ」と言っていましたが、まさにその通りです。芸能人や有名人も、私たち一般人と同じ日常生活を送っているということを理解して、その生活を尊重する精神が必要ではないかと考えます。