HOME > 法律コラム > 「ナンパ 街頭アンケート 客引き スカウト」ーー違法になるかならないかの基準は?!
気象庁によると、今年の梅雨は6月8日頃から7月21日頃と発表している。ジメジメした憂鬱な1ヶ月ではあるが、それが終われば若者にとっては楽しみな夏が待っている。夏といえば、夏休み。学生は地元でのお祭りや、海水浴場、あるいは都会に足を運び、夏を満喫する。そしてそこでは出会いを求めたナンパも増えるだろう。しかし実は注意しないとナンパが違法になることもありえるのはご存知だろうか。
今回はナンパや街頭アンケート、客引き、スカウトなどが違法になるかならないかの基準について中島宏樹弁護士に話を聞いてみた。
まずは、そもそもナンパ自体に違法性はあるのだろうか。
「街中などで、知らない異性に突然、声をかける行為自体は、基本的には、法律や条例に触れることはありません」(中島宏樹弁護士)
「ただし、相手が嫌がっているにもかかわらず執拗に付きまとったり、進路を防いだりした場合には、軽犯罪法あるいは、都道府県単位で制定されている迷惑防止条例に触れる恐れがあります」(中島宏樹弁護士)
やはりしつこいナンパは違法となるようだ。軽犯罪法の第1条 第28号がそれにあたり、該当者には拘留又は科料に処されることになる。
では街頭アンケートはどうだろうか。
「街頭アンケートの場合には、歩道や道路を占領するような態様で行う場合には、道路交通法上の許可が必要となります」(中島宏樹弁護士)
ちなみに無許可で行った場合には、道路交通法違反となり、3ヶ月以下の懲役か5万円以下の罰金となるので注意が必要である。
続いて客引きやスカウトはどうだろうか。
「客引きやスカウトを行う場合には、風営法や、都道府県単位で制定されている迷惑防止条例、に触れる恐れがあります。それらに加え、昨今は、各地において公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例が制定されるなどしており、確認が必要となります」(中島宏樹弁護士)
客引きは風営法で禁止されている。ポイントはお店の名前を告げるかどうかである。例えば「女の子と飲んでいきませんか?」などといって、反応を待っているだけでは客引きとはならない。ただし、お店の名前を告げなかったとしても、しつこい場合には風営法22条の2項に触れる。風営法22条に違反した場合は、6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科、と規定されている。
ナンパは軽犯罪法、街頭アンケートは道路交通法、客引きやスカウトは風営法とそれぞれ抵触する可能性のある法律がわかれており、街頭アンケートを除けば、違法になるかどうかの基準は「しつこさ」によるという。
粘り強くいけば、仕方なく話を聞いてくれる人もいるかもしれない。しかし嫌がる人にしつこくしてしまうと違法になってしまう。しつこさと粘り強さは紙一重であるが、引き際だけは注意したい。