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【経営者必読】従業員が不正を働いたり、横領をしていないかがわかる唯一の機会とは?!

経営者に負担を与える税務調査ですが、この税務調査が唯一感謝される機会として、従業員や役員の横領の発見があります。中小企業の場合、社内のチェックが行き届いていないこともあって、従業員や役員が経営者の目を盗んで私服を肥やす、という事態は少なくはありません。

税務調査は、会社の奥深くの状況までチェックするものですから、税務調査を機に横領が見つかる、というケースはかなり多くあります。

横領が見つかって嬉しい半面…

税務調査で横領が見つかる場合、経営者としては非常にありがたく思うものですが、それに伴ってかなりの税金が発生することにも注意しておく必要があります。

例えば、経理担当課長が、3年前に架空の経費を3000万円支払ったことにして、会社の預金から横領を行ったケースを考えてみましょう。この場合、架空の経費は法人税の経費になりませんので、3000万円の経費が否認されるとともに、横領された損失は会社の損害ですから、その損失は経費として認められます。しかし、それと同時に、3000万円の損害賠償請求を経理担当課長に行うことができますから、その金額は、会社の利益、と認定されることが通例です。

つまり、3000万円も横領されているのに、3000万円に相当する税金も支払わなければならない、というどうにも釈然としない指導が税務署からなされるのです。

回避するために…

従業員や役員の不正に全く気づいておらず、多額の横領で大きな損失を出し、かつ膨大な税金も納めさせられる。こんなリスクがあるのが、横領なのです。

中小企業においては、コンプライアンスを充実させたくとも、なかなか難しいのが正直なところですが、多少なりとも内部けん制を充実させておかないと、大惨事になるのが通例なのです。

執筆  松嶋洋 WEBサイト
平成14年東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後、経団連関連の税制研究所において、法人税制を中心とするあるべき税制の立案と解釈研究に従事。現在は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事するとともに、税理士向けに税務調査・法令解釈のノウハウにつき講演執筆活動を行う。

photo by GotCredit

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