HOME > 法律コラム > 警察「携帯見ながら運転してたよね?」ーーもしも警察の誤認で、違反を否認したらどうなる?
警察庁は7月23日、2015年の上半期における、懲戒処分を受けた警察官と警察職員の人数が132人であったと発表した。前年同期と比べて7人減ったが、セクハラでの処分が12人増えたとのこと。
警察といえば市民の味方、正義の味方というイメージが先行する。
しかしそんなイメージがあるからこそ、警察による不祥事は社会問題に発展することが少なくない。
もしも、そんな市民の味方である警察によって、犯してもいない罪で捕まったとしたらどうなるのだろうか?この問題について、森谷和馬弁護士に寄稿して頂いた。
例えば、携帯電話を見ながら車を運転することは、5万円以下の罰金となる違反行為とされています。
そのため、警察官は道路交通法違反として取り締まっており、現場では、反則行為として「青切符」と呼ばれる書類を渡されます。これに対して反則金として6000円(普通車の場合)を納めれば、刑事罰を受けることはなく、手続は終了します。つまり違反を認めたことになる訳です。
違反がないと主張しても、警察官は青切符を渡そうとするでしょうが、これを受け取るかどうかは任意です。
たとえ青切符を受け取っても、反則金を納付せず、放置していると、道路交通法違反の刑事手続が開始され、検察庁からの呼出があります。起訴するかどうかは検察官が決めるからです。
この呼出には応じるべきですが、検察官に対しては、「違反行為はない」という自分の主張を的確に述べて下さい。
一般に検察官は否認事件で起訴することをためらう傾向がありますので、あなたの主張にそれなりの合理性があると考えたら、不起訴処分として事件を終わらせます。
もしもこの段階で違反を認めると、略式命令という簡単な裁判で罰金刑が決まるので、罰金を払わなければなりません。
否認のまま検察官が正式な裁判を請求した場合には、公判廷が開かれて、有罪か無罪かを審理する手続となります。