HOME > 法律コラム > 【過払い金消滅まであと1年】改めて過払い金の仕組みや対象となる方を弁護士が解説!
2006年に最高裁で過払い金が認められてから、来年2016年で丁度10年となる。
実はこの10年という数字、過払い金返還請求の権利が消滅する時効期間と一致する。
つまり、本来であれば過払い金の返還を求める権利があるにも関わらず、その権利を行使しないために過払い金が消滅するという事態が、来年から増加するのである。
対象となる方は、過去に「消費者金融やカード会社で借金をしたことがある方、完済している方」である。
ちなみに現在借金をしている方は、10年以上前から借金と返済を繰り返していれば、権利は消滅しない。
今回のコラムでは、来年で過払い金返還請求の権利が消滅する10年となるため、今一度過払い金とは何なのか、またどうして過払い金が戻ってくるのかを、塩澤彰也弁護士に伺った。
改めて過払い金とはなんだろうか。
「過払い金とは、業者に払いすぎた利息のことです」(塩澤彰也弁護士)
「利息制限法という法律によって、例えば、100万円以上の貸付けの場合、15%までしか利息を取ったらいけないとされています。しかし、9年程前まで、一定の利率まで刑事罰がないということなどから、業者は、それ以上の利率、年20%などで貸付けを行っていました」(塩澤彰也弁護士)
100万円以上は15%までの利息であるが、10万円以上100万円未満の貸付けとなると、利息は18%で設定されている。
例えば利息20%で100万円を借りて、1年間で完済したら幾ら多く払っていることになるのだろうか。
「100万円を借りて、1年後に利息を含めて120万円を返済した場合、業者は法律に違反して5万円を多く受け取ったことになります」(塩澤彰也弁護士)
「そのため、業者から、その5万円の払いすぎた利息、すなわち、過払い金を取り戻すことができるのです」(塩澤彰也弁護士)
「そして、そのような取引を何年も継続して返済してきた場合、その払いすぎた利息は数十万円とか、100万円を超えるようなことも出てくるのです」(塩澤彰也弁護士)
借金を完済している人にとって、過払い金返還請求手続きを行うことによるデメリットは特にない。
もしもこれを読んで、該当しそうな方は、そもそも過払い金が存在するのかだけでも調べる価値はあるだろう。
ご自身で調べることも可能である。借りていた業者に問合せ、過払い金が発生するかどうかの計算を行えばいいだけである。
もしもそれが面倒であれば、専門家に依頼することも可能だ。過払い金があるかどうかを調べてもらうなら、無料でやってくれる法律事務所もあるようだ。
過払い金消滅まで残り1年、是非気をつけていただきたい。