HOME > 法律コラム > 「その写メ、ネットにアップして大丈夫?!」注意すべきポイントを弁護士に聞いてみた!
携帯電話やスマートフォンの普及によって、気軽にいつでもどこでも高解像度の写メが撮れるようになった。
家族や友人知人、恋人との想い出を気軽に振り返ることができるようになったのは、大変嬉しいことではあるが、その一方で盗撮やリベンジポルノなどに悪用されるケースも増えている。
この原因は、普及するスピードに対して利用者への法的リスクの周知が後手に回ってしまっていることだろう。
今回は撮った写メをネットにアップする際に、注意するべきポイントを森谷和馬弁護士に伺った。
まずは本屋で売られているレシピ本を、購入せずに写メだけを撮ったり、更にネットにアップする場合はどうだろうか。
「まず本屋で売られている本の中身を撮影されてしまえば売上が減るので、本屋さんは撮影を認めないでしょう。お金を払って買ったのであれば、本屋との問題はありませんが、本の著作者との問題が残ります。料理のレシピ本も著作物と考えられるので、それを購入者以外に拡散させるのは、私的使用を超えて著作権の侵害に当たると思います」(森谷和馬弁護士)
では美術館や博物館、展示会などで飾られている芸術品はどうだろうか。
「美術館の展示物の撮影については、まず美術館側の許可が必要です。その先の問題はレシピ本と同様でしょう」(森谷和馬弁護士)
視聴しているテレビの「決定的瞬間」の写メを撮り、アップする場合はどうだろうか。
「『テレビの決定的瞬間』は基本的にそのテレビ会社に著作権があると考えられるので、それを拡散させる行為は著作権の侵害に当たります」(森谷和馬弁護士)
大好きなアーティストのコンサートを動画撮影したり、ネットにアップするのはどうだろうか。
「コンサートの動画を撮影したり、それを拡散させるのは、主催者側の許可がない限り、明らかに違法です」(森谷和馬弁護士)
最後に、写メを撮る際の気をつけるべきポイントを伺った。
「自分自身やその所有物・管理物以外の人や物が写っている場合には、他人の著作権を侵害していないか注意を払う必要があります」(森谷和馬弁護士)
「また他人のプライバシーへの配慮も必要です。『自分がいつどこで何をしていたか」を他人に知られたくないという権利は、プライバシー権として保護されるからです」」(森谷和馬弁護士)
本屋のレシピ本や美術館の展示品、テレビの映像、コンサートの動画が著作権の侵害にあたる。その一方で、街中で撮った写メに、例えば通行人が入り込み、それをネット上にアップするような行為が、プライバシーの侵害に当たる可能性がある。写メをネットにアップする際には是非、気をつけていただきたい。