HOME > 法律コラム > 学費以外に「施設費」を払ってるんだから、学校で充電しても窃盗にはならない?!
窃盗罪とは、他人の財物を窃取した場合に成立し、電気も財物として法律では定義されている。
そして自宅や、充電を認められた場所以外で充電する場合、「そのコンセントがどんな目的で備え付けられているかが重要」である。つまり、充電のために備え付けられていないならば、窃盗罪が成立することになる。
では、こういったケースはどうだろうか。それは、大学に対して施設費を払っている場合の充電である。(大学によっては入学金や学費以外に施設費を支払う必要がある)
ノートパソコンやスマホが授業に必要なこともあり、更に施設費も払っているのであれば、窃盗とはならないのだろうか。今回はこの問題について鈴木翔太弁護士に伺ってみた。
まずは施設費とはどういった名目なのだろうか。
「一般的に、大学の学費には、『施設費』が含まれています」(鈴木翔太弁護士)
「この施設費は、大学の施設を維持・管理するために学生から平等に集めているものですから、学習・研究を含む学生生活に必要な範囲で、学生は大学の施設を利用できることになります」(鈴木翔太弁護士)
これはつまり、学内施設に備え付けられているコンセントを使用してもいいということだろうか。
「大学の規則等で、スマホやパソコンの私用の充電を禁止する旨明記しているケースは少ないと考えられます。スマホやパソコンの充電について、リサーチやゼミナールのメール確認等に必要であれば、窃盗罪は成立しないでしょう」(鈴木翔太弁護士)
やはり授業等、学生生活にスマホやパソコンが必要という前提があれば窃盗にはならないと鈴木翔太弁護士は言う。では学生生活に必要ない場合の充電はどうなるのだろうか。
「施設費の趣旨に鑑みれば、大学での勉学とは無関係な目的でスマホやパソコンを充電することは窃盗罪に該当する可能性があるでしょう」(鈴木翔太弁護士)
なるほど。施設費の目的に沿っていない、施設の利用は認められないということだろう。彼氏や彼女と連絡を取るためにスマホを充電する、単に動画を見るために充電するなどは認められないだろう。もしもこれをご覧になった方で、思い当たる方は是非気をつけていただきたい。