HOME > 法律コラム > 裁判傍聴に興味はあるけど、中々行く機会が無い。そんな人のための「エア裁判傍聴!」
小生は時々時間があると裁判傍聴に出かける。今回は裁判の内容と関係なくそこで思ったことについて、あれこれと書いてみたい。
法廷に入ってまず感じるのが、どこも天井が高いということだ。
廊下については、公共の建物としてやや高めかな、ぐらいなのだが、法廷は確実にもう一段以上高い。
理由は聞いたことはないが、法廷としての威厳を保つため、といったところだろう。
そしてこれが部屋が広くなるとさらに天井が高くなる。傍聴席から法廷正面を見ると、部屋の横幅と高さが同じくらいに見える。そのような見栄えを意識したものだろうか。
これは機能的な理由からである。
法廷の形は当然に四角で、四つの壁に囲まれている。そのうち二つの面は隣の部屋、通常は隣の法廷である。残る二つのうち一方は検察官や弁護士、傍聴人が使う廊下に面している。では最後のひとつは。これは裁判官と拘留中の被告人が使う廊下に面している。
拘留中の被告人は外部との接触が制限されるために、傍聴人なんかも使う廊下は使えないということだ。そして裁判官はというと、やはり当事者との接触が望ましくないため、違う廊下を使うというわけである。裁判官が当事者も使う廊下を普通に歩いている、などということになると、当然にそこで芝居を打とう、などという輩も出るであろう。
被告人の知り合いの振りをして「ここだけの話だけどさ、あいつ自分で盗んだっていってたんだぜ」などとやられたら非常にまずい。
つまり法廷の壁のうち対面する二つは隣の法廷、残りの二つは廊下に囲まれる問いことになり、角部屋以外は窓がない構造となる。
窓はなくても、先に書いたように天井が高いため圧迫感は感じない。天井の高さはこのようなことも考えられているのだろうか。
前に、民事訴訟の判決言い渡しには当事者も代理人弁護士も行かないのが通常であると聞いたことがあった。当事者、つまり原告・被告本人は、代理人である弁護士に任せて裁判に出席しないことが多いのは知っていた。では弁護士はといえば、後で判決の内容は送ってくるので行かなくてもいいとのこと。それで裁判官と書記官だけの法廷で、
判決が言い渡されるということである。
ちょうど民事の言い渡しがあったので、その辺りを確かめるべく、傍聴してみた。その結果…本当に裁判官と書記官しかいなかった。いや、もちろん傍聴人である小生も部屋にはいたわけだが、小生も含め3人だけの法廷で、言い渡しは行われた。
こんな場合でもちゃんと言い渡しは行うんだな、と感心しつつ、5分もしないうちに終わってしまった。
ただし、世間の注目を集めているような事件とか、特に当事者や代理人に特別な思いがあって、という場合は別だそうです。