HOME > 法律コラム > 経営者として「絶対に言ってはならない言葉がそこにはある!」
税務調査はワールドカップ同様、大体4年に一度行われます。そして絶対に避ける事ができません。
調査官が巧みな言葉で誘導し、経営者の失言を誘い、その結果揚げ足を取られて課税されてしまうことがよくあります。
税務調査では、余計なことを話さない方が良いでしょう。
さて今回は、経営者が調査官に言ってはならない言葉を集めてみました。
(これらは税務調査に置いてのみならず、そもそも経営者としての資質も疑われてしまう可能性があります)
過去の税務調査で否認指摘されなかったからといって、それは認められたということではありません。
調査官も人間です。また調査は時間が限られているため、すべてチェックすることができないというのが、実情です。
経営者として、この発言をしたい気持もわかりますが、言ってしまったがために、遡られる必要のない過去まで、修正申告の提出を求められる可能性があります。
実際問題、経営者としてすべての経理処理を把握しているわけではないことは現実でしょう。勿論これについては調査官もよく理解しています。
しかし、調査官は経営者の態度や姿勢まで見ています。
つまり「この経営者は、会社の数字をしっかり把握している」と調査官が思えば、それほど深く追及してこないわけです。
このような発言を平気でする会社は、「経営者が内容をわかっていないのだから、叩けばホコリが出る」と思われてしまうのです。
税務調査のポイントの一つに「経営者の個人的な支出を、経費にしていないかどうか」が挙げられます。
勿論、顧客や取引先と行った接待(ゴルフや飲み会)などは経費になるべきですが、この境界性が曖昧であることはよくあります。
つまりこのような発言をすると、「社長、接待費の中に、個人的なゴルフ代や飲み代が入っているのではないですか!?」と疑われるキッカケになり、疑念を抱かれてしまいます。
こう言いたくなる気持ちは理解できます。
税務調査は、対象となる会社にバラツキがあり、よく入られる会社も、そうでない会社もあります。
しかし、この発言は次の発言をまねきます。
「では、そのもっと儲かっている取引先をぜひ教えてください。教えていただければ、ぜひ税務調査に行かせてもらいますよ」と。
まさか取引先を巻き込むわけにはいかないので、黙らざるを得ません。
税務調査というのは、1つの会社に入れば、その影響で取引先などに連鎖することがよくあります。経営者自ら、このような発言をしてしまえば、その連鎖を大きくしてしまう可能性もあるということです。
この言葉は何も間違っていません。
節税というのは「合法的に税金を減らす行為」です。合法である以上、税務署にとやかく言われる筋合いはありません。
しかしこの「節税」という言葉、実は合法かどうか微妙なこともあるのです。
例えば決算直前に大きな売上が見込めたとします。すると予想外の法人税などが発生する可能性がでます。そこで「節税」を考えるわけです。
しかしこの売上が多ければ多いほど、そんなに簡単に節税などできるわけがありません。そこで、例えば役員を退職させ、退職金を支払うことにすれば、これは「節税」と呼べるのでしょうか?
「節税」と「租税回避行為」の境目は非常に曖昧です。税務署に「租税回避行為」と言われてしまえば、いくら「節税」だと叫んだところで、否認されてしまうリスクがあるわけです。
「節税は納税者の権利」だと思っていても、調査官に敢えて言う必要のない言葉なのです。