HOME > 法律コラム > 生まれ変わったら道になりたいと言った再犯の側溝盗撮男 盗撮ってどんな罪?
人気のない深夜から道路の側溝内に潜んで寝そべり、通行する女性のスカートの中を盗撮しようとしたとして、神戸市東灘区に住む会社員の男性(28)が逮捕された。逮捕容疑は兵庫県迷惑防止条例違反であるが、男性は容疑を認めているようだ。
報道によると男性は2015年8月16日の深夜3時から午前7時50分頃まで、深さ約60センチ程度の側溝に潜んで寝そべり、通行中の女性のスカートの中を盗撮しようとした疑いが持たれている。
しかし、そこを通りかかったある女性が側溝から髪の毛が出ているのを発見。不審に思い足元を見たところ、男性と目が合ったという。すぐに110番通報。駆けつけた警察官が、男性のスマートフォンを調べたところ、側溝内から盗撮したとみられる動画や画像が発見されたという。
さて今回は改めて「盗撮」がどんな罪になるのか星野宏明弁護士に伺った。
「盗撮行為については、一般に各都道府県の迷惑防止条例で禁止されています」(星野宏明弁護士)
例えば兵庫県迷惑防止条例は、正式に「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」といい、その中で盗撮は第3条2項により禁止されている。6ヵ月以下の懲役又は50万円以下の罰金と規定されている。ちなみに常習者は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金だ。
「迷惑防止条例で禁止する盗撮行為は、基本的に電車内などの『公共の場所』という限定がついていることが多いので、店舗内での盗撮行為は迷惑防止条例違反とはなりません」(星野宏明弁護士)
「ただ、都道府県によっては、公共の場所の要件が緩和されていることもあり、住んでいる地域によっては、盗撮行為が迷惑防止条例違反の罪に問われる可能性もあります」(星野宏明弁護士)
今回は道路の側溝内となっており、間違いなく公共の場所といえるだろう。
「この他、『正当な理由がなく人の住居,浴場,更衣場,便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者』を罰する軽犯罪法違反となるケースもありえます。さらに,盗撮した画像をネット上などで拡散した場合,刑法上の名誉棄損罪となります」(星野宏明弁護士)
盗撮行為が迷惑防止条例違反以外にも、軽犯罪法違反、名誉毀損罪に問われる可能性もあると、星野宏明弁護士は言う。
容疑を認めている男性は、何と全く同じ手口で2013年にも逮捕されていた。
ちなみに兵庫県迷惑防止条例違反の罰則を先程明記したが、常習者に対しては1年以下の懲役又は100万円以下の罰金と規定されている。
前回逮捕された後に「生まれ変わったら道になりたい」と供述していたようだが、今回はどのような供述がでるのだろうか。