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マナー違反じゃ済まされない?行列への悪質な割り込み行為は犯罪になる?!

2015年は「日本初上陸」と冠した海外外食の出店ラッシュとなった。
様々なメディアでも報道されていたため、見聞きした方も多いだろうが、その数はおよそ20店以上になり、中でも「ブルーボトルコーヒー」には長蛇の列ができた。
では、どれほどの行列だったか。なんと、昨年2月6日にオープンしたブルーボトルコーヒー1号店では、コーヒー1杯に最長5時間という状態もあったという。

さて、このような人気店では、折角足を運んでも待ち時間が長すぎて、諦めてしまうこともある。しかし「並んででも欲しい!」という気持ちがあるならば、残されているのはイライラとの戦いだ。
ところが「後もう少し…後もう少し」というところで、ある客が割り込んできたらどうだろうか。

並んでいる人達のストレスは個人差はあれど決して低くはない。その場は凍りつき、一触即発の状況と化すことが容易に想像できるだろう。

そこで今回は、ただのマナー違反だと思われがちな割り込み行為について、法的な責任を問うことができないのかを小野智彦弁護士に伺ってみた。

割り込みは軽犯罪法に触れる可能性がある!

「こんなのが犯罪になるのか?と思う方も多いかと思いますが、割り込みの態様によっては、軽犯罪法に引っかかることがあります」(小野智彦弁護士)

なんと、ただのマナー違反だと思われがちな割り込みが犯罪になる可能性があるとのこと。

「軽犯罪法の第1条13項に以下のような規定があります。『公共の場所において多数の人に対して著しく粗野若しくは乱暴な言動で迷惑をかけ、又は威勢を示して汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公共の乗物、演劇その他の催し若しくは割当物資の配給を待ち、若しくはこれらの乗物若しくは催しの切符を買い、若しくは割当物資の配給に関する証票を得るため待っている公衆の列に割り込み、若しくはその列を乱した者』とあり、拘留又は科料に処せられるとあります」(小野智彦弁護士)

「拘留は、1日以上30日未満の自由刑で、科料は、1000円以上1万円未満の財産刑です」(小野智彦弁護士)

悪質すぎると脅迫罪や強要罪に問われる可能性も!

割り込みの態様によっては犯罪になる可能性があるというが、具体的にその態様とはどういうことだろうか。

「つまり、脅迫的な言動により割り込んだ場合にのみ軽犯罪法に当たることになり、ただ割り込むだけでは罪にはならないということですね」(小野智彦弁護士)

悪質であったり、繰り返し行うなどがあった場合に、罪に問われる可能性があるとのこと。

「脅迫的な言動も、度が過ぎると刑法上の脅迫罪や強要罪に問われることになりますので、十分にお気をつけください」(小野智彦弁護士)

悪質過ぎた場合、更に罪が重くなる可能性もあるという。

自分がされて嫌なことは相手にもしないこと!

待ち時間は誰もがイライラするものである。

だからといって、そのイライラを撒き散らすことはよくない。もしも、自分のイライラが他の方に伝われば、それが伝播していき、結果的に思わぬトラブルに発展するかもしれない。

ここで重要なのは、自分がされて嫌なことは相手にはしないという、基本的なことである。

一人ひとりがマナーを守れば、長くて辛い順番待ちも、少しは楽しい時間へと変わるかもしれないのだから。

取材協力弁護士  小野智彦 Blog Facebook Twitter
東京弁護士会所属。銀座ウィザード法律事務所代表。手品、フルート演奏、手相鑑定、カメラ等と多趣味。手品の種明し訴訟原告代理人、ギミックコイン刑事裁判弁護人、雷句誠氏の漫画原稿の美術的価値を求めて小学館を提訴、等の代理人を務めた。またテレビ出演も多数。