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グルメリポーターが番組での過食が原因で健康被害!番組に責任は問える?!

テレビをつけると、必ずどこかのチャンネルでグルメ番組が流れている日本。いくらんなんでも多すぎでは?と思わざる得ないその内容は、ニュースやドラマ、バラエティー、旅行、ドキュメンタリーなど多岐にわたる。しかし、そんな中でもグルメ番組の元祖といえば、美味しい店を紹介する番組だろう。

番組では、地元を代表する店、知る人ぞ知る穴場の店などを紹介し、視聴者を惹きつける。しかしグルメ番組はそれだけでは成立しない。では何が必要か。それはグルメリポーターである。各グルメリポーターの特徴と、少々極端とも思える賛辞が紹介する店を更に魅力的にする。恐らくこのコラムをご覧になった方の中にも、グルメリポーターと聞いて、何人か思い当たるタレントがいるのではないだろうか。

さて今回は、そんなグルメリポーターが番組に毎週レギュラー出演した結果、健康を害してしまったという設定で、番組や制作者に責任を問えるのかどうかを星野宏明弁護士に寄稿して頂いた。

出演者の安全に配慮するべき義務は、テレビ局や制作会社に存在する

結論からいうと、場合によっては損害賠償請求の対象となります。

まず、タレントとテレビ局の関係ですが、直接出演契約を結んでいる場合と、所属事務所を介して契約関係を締結している場合など、いろいろな形態があります。

テレビ局で直接雇用しているアナウンサー・タレントであれば、テレビ局と直接の雇用関係があります。

労働契約においては、使用者すなわち、テレビ局・制作会社側に出演者の身体の安全に配慮すべき信義則上の義務があるとされています。

そのため、例えば過労や職場のいじめ、長時間労働、その他職場の環境が劣悪であったことにより、労働者が心身の健康を害した場合には、安全配慮義務違反として、会社や制作会社は損害賠償責任を負うことになります。

タレントとテレビ局が直接契約を交わしていなくても損害賠償の可能性あり

これに対し、タレントとテレビ局が直接の労働関係にない場合は、使用者の安全配慮義務は直接には生じません。

ただし、労働関係ではなく、タレントとテレビ局が委託・請負出演契約であったとしても、明文の規定はありませんが、信義則上、労働契約の場合と同様、注文者であるテレビ局・制作会社には使用者と同じように、出演者の心身の健康に配慮すべき義務があると解釈できます。

したがって、契約形態に関わらず、テレビ局や制作会社側が明らかにタレントが心身の健康を害するような内容の番組に出演させ続けた場合、安全配慮義務違反として損害賠償責任を負う可能性があります。

取材協力弁護士  星野宏明 事務所HP
東京弁護士会所属。星野法律事務所 共同代表。千葉県立東葛飾高校を卒業。早稲田大学法学部を大学院飛び級のため退学。その後慶応義塾大学大学院法務研究科を修了。北京大学へ語学留学し、中国広州市にある敬海法律事務所にて実務研修。弁護士法人淀屋橋・山上合同 勤務を経て独立開業。一般企業法務,顧問業務,中国法務,不貞による慰謝料請求,外国人の離婚事件,国際案件,中小企業の法律相談,ペット訴訟等が専門。中国語による業務も対応可能。

ライター 大田タケル Twitter Blog