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不正アクセスでゲームアイテムを盗まれた!損害賠償は可能?誰に請求する?

警察庁が3月24日に「平成27年における不正アクセス行為の発生状況等の公表について」を発表した。その資料によると、不正アクセスの件数は減少したが、検挙事件数・検挙者数が過去最多となったとのこと。

ちなみに不正アクセス件数が減少した理由は、平成26年に多発したLINEアカウント乗っ取りに対する、LINEのセキュリティ強化が貢献している。
しかしその一方で事件数・検挙者数が最多となった理由は、警察の積極的な捜査、関連団体やセキュリティー企業との連携によるものではないかと言われている。

そこで今回は、不正アクセスでゲームのアイテムを盗まれた場合、その損害の賠償を求めることが可能かどうかを清水陽平弁護士に伺った。

不正アクセス禁止法は、ただ単に不正アクセスを禁止しているだけの法律

「パスワードがあるにもかかわらず、勝手にアクセスすれば不正アクセスとなります。不正アクセス禁止法はあくまで不正アクセスをしてはいけないということを定めているだけであり、個人の権利として認めているわけではありません。そのため、不正アクセスをされたということが、直接損害賠償請求の根拠となるわけではありません」(清水陽平弁護士)

不正アクセス禁止法は、不正アクセスのみを禁じる法律とのこと。ちなみに違反をすると3年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっている。

不正アクセスされたことによる精神的被害を根拠に損害賠償請求が可能かもしれない

では、不正アクセスされたことによる損害については、泣き寝入りとなるのだろうか。

「不正にアクセスされることで精神的なショックや、アイテムを盗まれる等があればそれに関する精神的負担等があり得るので、それについての損害賠償(慰謝料)を求めることができる余地があります」(清水陽平弁護士)

不正アクセスされたことによる精神的な被害を根拠にすれば、損害賠償請求も可能かもしれないと話す清水陽平弁護士。ちなみに請求する相手は誰になるのだろうか。

「損害賠償を請求する先は、不正アクセスをした本人です。ただし、本当に不正アクセスをしたといえるのかということについて、証拠をもって立証する必要があるため、実際にはかなり難しいのではないかと思います」(清水陽平弁護士)

不正アクセスしたことを証明するだけの証拠がなければ悲しい結果に終わる可能性もあるという。

単純すぎるパスワード、使い回しのパスワードは控えよう

冒頭で述べた「平成27年における不正アクセス行為の発生状況等の公表について」には、不正アクセスの手口も記録されており、全体の35.3%と最も多かったのが「利用権者のパスワードの設定・管理の甘さにつけ込んだもの」だった。

単純すぎるパスワード、使い回しのパスワード等、他のサービスから流出したリスト等によって不正アクセスを可能とさせてしまっているとのことだが、対策は難しいことではない。
それはパスワードの強化と使い回しをやめることである。具体的には「IDと似たようなパスワードを使用しない」や「推測できてしまう程度のパスワードを控える」などがある。

もしもこれをご覧の方で、簡単な語呂合わせのパスワードや、使い回しのパスワードを使用している方がいれば、是非すぐにでも変えることをお薦めしたい。

取材協力弁護士  清水陽平 事務所HP
東京弁護士会所属。法律事務所アルシエン共同代表パートナー。ネット上での誹謗中傷対策や炎上対策として、日本人では初となるTwitterやFacebookへの削除・開示の実績あり。その他に損害賠償、刑事告訴など幅広い案件に対応。また数々のメディアへも掲載多数。

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