HOME > 法律コラム > 暑い夏ほど「におい」に要注意!「におい」も「騒音」のように訴訟の対象となる?
騒音による訴訟問題は度々ニュースで見かけることがあります。開発問題や、近隣に住む住民同士の生活音からくるトラブルといったものが有名です。
しかし、現代社会に生きる人々の悩みの種は騒音だけではありませんよね。例えば、「におい」もそんな悩みのひとつと言えるのではないでしょうか? どんなところにも何らかのにおいは存在しますし、その中には個人差があれど、不快だと感じるもありますよね。そのにおいと日常的に付き合うというのは、ちょっと大変そうです。
聴覚と嗅覚という違いこそありますが、この2つはどこか似ている気がします。ということは、不快なにおいが原因で訴訟となってしまうことってありえるのでしょうか。そういう話はあまり聞いたことがありませんが……。
寺林弁護士に話を聞いてみました。
「騒音」で訴えられるケースというのは、一定程度以上の大きな音により生活に支障が生じ、健康被害や精神的にある程度大きな苦痛が生じた場合に限られるでしょう。
臭いを理由として訴えるケースも同じであり、一定程度以上の悪臭によって生活に支障が生じ、それによって健康被害や精神的な苦痛が生じている場合に限られるものと考えます。
騒音に伴うものとしては、振動があげられると思います。
空港建設や鉄道建設などに伴い、付近住民が起こす訴訟には騒音だけでなく振動による被害も挙げられているケースが複数あったのではないでしょうか。
臭いに関しては、事業者が出すものについては悪臭防止法が規制しており、条例で規制をしている地域もあります。
日本人は臭いに敏感であるとも言われていますし、大きな裁判になったものは、あまりないのではないでしょうか。
弁護士 寺林智栄 Blog