HOME > 法律コラム > いじめの相談は親や学校、警察ではなく◯◯が最も有力な相談先かもしれない
「いじめられたら誰に相談するか」ーー真っ先に思い浮かぶのは親や学校だろう。
ではそれ以外にどこが応じてくれるのか。当コラムではその相談先についてこれまでまとめてきた。最初に公共機関等。次に警察。
そこで今回は弁護士を提案したい。弁護士に相談することのメリットや注意事項を、これまで話を伺ってきた井上義之弁護士に再度聞いた。
まずはそもそも弁護士がイジメ問題に積極的に取り組んでいるのかどうかについて伺った。
「弁護士は、いじめに関する相談を広く受け付けており、特にケースによる制限はありません。弁護士への相談もいじめ解決に向けた有力な手段のひとつとお考え下さい」(井上義之弁護士)
警察に相談するべきいじめとは、そのいじめ行為が、犯罪行為になった時点だというが、弁護士はどんなケースであっても有力だという。
ではいじめ問題を弁護士に相談した場合、どのように対応してもらえるのだろうか。
「相談を受けた弁護士は、守秘義務のもとで、相談者から事情や希望を聞き、相談者と一緒に適切な解決方法を考えます」(井上義之弁護士)
「解決方法としては、事案の内容に応じ、(1)相談者が自ら動く、(2)弁護士が相談者の代理人となって交渉する、(3)弁護士が相談者の代理人となって裁判する、(4)刑事告訴する、(5)適宜(1)〜(4)を組み合わせた対応、といったものになるでしょう。また、弁護士は、必要に応じ、証拠の収集方法などについてもアドバイス致します」(井上義之弁護士)
誰だって突然弁護士から連絡が来れば驚くはずだ。そんな効果も期待できる弁護士は、親や学校に相談するのとは明らかに違うようだ。つまり、弁護士に相談するということは、法律の専門家として、法的な手段で解決策を提示してくれるということであり、この点、他の相談先に比べて非常に心強く感じるのではないだろうか。
これまで弁護士に相談することの優位性を述べてきたが、一点注意が必要だと井上義之弁護士は話す。
「法的な観点から事実を整理するだけでも非常に有意義ですが、できれば早い段階での相談をお勧めします」(井上義之弁護士)
いじめに限らず、どんなことでも早期の問題解決が重要のようだ。当事者にかぎらず、もしも回りでいじめで困っている方がいたら、弁護士への相談を提案してみてはどうだろうか。確かな効果が期待できるかもしれない。