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「訴えたくてもお金がない・・・」泣き寝入りしないための方法を弁護士が解説!

会社での不当な扱われ方や夫婦間のトラブル、住居に関する問題やお金の貸し借りまで様々な問題を抱えていながらも現状に耐えている人達が沢山いらっしゃいます。

しかし、当然ですが訴えるにもお金がかかります。

そんな方に残されている選択肢は、泣き寝入りしかないのでしょうか?

出来る限り費用を抑える方法や、泣き寝入りしないための方法を岡村弁護士に聞いてみました。

裁判の費用を安くすませるための具体的な方法はありますか?

ひとくちに「裁判の費用」といってもいくつかの費目があります。
(1)収入印紙・切手
訴訟を起こす場合,請求する目的の価額に応じて訴状に収入印紙を貼付しなければなりません。
また,訴状などの訴訟書類を被告などに送付するための切手が必要になりますが,一定の定められた種類の切手を裁判所にあらかじめ納めておく必要があります。
これらは,いわゆる実費ですから,どうしても負担せざるを得ません。

(2)弁護士費用
訴訟は法律上の争いごとを解決するための手段です。ですから,どうしても法的な専門知識がないと有利に手続きを進めることができません。
このため,法律の専門家である弁護士を雇う必要が出てきます。この弁護士費用ですが,現状,原則として弁護士を雇う依頼人が負担しなければなりません。
弁護士費用の目安ですが,一般的には,請求する目的の経済的価額,手続きの難易度を踏まえて依頼人と協議して決めることになります。昔は日本弁護士連合会が定めた弁護士費用の基準が存在しましたが,独占禁止法の関係で廃止されました。

費用が高すぎて訴えることが出来ない場合、泣き寝入りしかありませんか?他に方法があれば教えて下さい

(1)収入印紙について
当事者の経済的状況などの要件を満たせば,「訴状救助」という制度を利用して,貼付すべき印紙代を訴訟が終了するまで猶予してもらう方法があります。弁護士あるいは裁判所に相談してください。

(2)弁護士費用の振り分け
弁護士は,訴訟を提起する際に着手金を,訴訟終了時に成果に応じた謝金の支払いを受けるのが一般です。
当面用立てる金銭が不足する場合,着手金を低く抑え,終了時に支払うべき謝金で着手金の不足を調整するという方法もあり得ます。また,着手金については分割払いで良いとする弁護士も大勢いるはずです。弁護士と相談してください。

(3)交通事故の場合
多くの方が自動車保険(任意保険)に加入されています。
任意保険に加入されている場合,加害者として訴訟を提起されて被告になった場合,その訴訟で雇う弁護士の費用は自動車保険で賄われるのが一般です。
また,被害者になった場合,自動車保険に「弁護士費用特約」が付加されていれば,加害者に請求する場合の弁護士の費用については,自動車保険で賄われます。ご自分だけでなく同乗者の費用も賄われますので,保険の内容を良く確認してください。

今後、安い費用で裁判が起こせる可能性というのはあるのでしょうか?

■安いか高いか
安いか高いかの判断は難しいですね。雇った弁護士がきちんと仕事をしてくれればそれなりの費用を支払っても,依頼者の方は満足されるでしょうし,逆に,比較的低額の費用を支払ったとしても,仕事の内容が杜撰であれば,依頼者の方には不満が残ります。
安い,高いは主観的で相対的な問題だと思います。

■法テラスについて
収入の関係で,これまでの方法でも弁護士費用を用立てることが難しい場合,法テラスで弁護士費用を立て替える制度があります。あくまでも立替ですから,返済する必要がありますが,毎月5000円~1万円程度の分割が可能です。
法テラスの無料法律相談を受け,立替が可能かどうかを含めて弁護士に相談することが出来ます。

取材協力弁護士  岡村茂樹 事務所HP
修習期34期 埼玉弁護士会所属。岡村法律事務所代表。地元である埼玉で30年以上の活動実績があります。交通事故や離婚・男女問題、相続問題などに力を入れています。

ライター 武内 愛目 Blog