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不倫中の方や既婚者から口説かれている方、口説こうとしている方の法的リスクを弁護士が解説!

社会に出ると、驚くほど身近に不倫カップルが潜んでいたりするものです。

そしてそれは決しひとごとではありません。既婚者である職場の上司や同僚があなたにモーションをかけてくることがあるかもしれないのです。

そういう時、断ると今後の人間関係や業務に支障が出てくる恐れがある場合、はっきり拒絶するのは怖いですよね。
かといって誘いに乗る訳にもいかないし……こうなってくると悩みはつきません。

不倫をしている人が不倫相手の家族から損害賠償を受けるケースは聞いたことがありますが、それならば既婚者でありながら口説いてくる異性を訴えてもよいのではないでしょうか。既婚者からの誘いが原因で自分自身の体調や仕事に悪影響が出てしまう場合は、なおさらそんなことを考えてしまいそうです。

今回は寺林智栄弁護士に話を聞いてみました。

結婚しているのに異性を口説くのは法的にどうなのでしょうか?

結婚している配偶者は相互に「貞操義務」というのを負っており、他の異性(同性も場合もあり得ますが)と交際したり性交渉したりすることは、この義務に反することとなります。

夫婦の一方の不倫行為に対して、他方が慰謝料請求することができるのはこのためです。

既婚者が異性を口説くというのは、交際をするよう迫る、性交渉するよう迫るという行為ですから、貞操義務に反する行為となります。
この既婚者の結婚相手は、慰謝料を請求できますが、実際に交際や性交渉に及んでいるわけではないので、その額は少額にすぎないでしょう。

口説かれた方との関係では、貞操義務の問題は出てきませんので、そく慰謝料を請求できるようなことにはなりません。
ただ、相手が職場の上司などの場合には、セクハラになる場合のありますので、そうすると慰謝料の請求が可能となります。

既婚者から口説かれることで悩み、心身の健康を害した場合訴えてもいいのでしょうか?

先ほども述べたとおり、口説くことは相手方との関係で即違法になるわけではありません。

しかし、これも先ほど述べたように、職場の上司によるセクハラに該当するような場合には、慰謝料請求することができます。

また、セクハラに該当しなくても、何度も断っているのに執拗に交際を求めてきてストーカー的な行為に及ぶようになった結果、心身の健康を害した場合には慰謝料を請求することができます(ただ、これは、既婚者が口説く場合に限られません)。

逆に、相手が既婚者と知っていながらアプローチする行為は罪になるのでしょうか?

罪にはなりません(このような行為を処罰する法律はありません)。

ただ、夫婦関係を破壊する危険がある行為ということになりますので、アプローチした人の配偶者から慰謝料等を請求される可能性があります。

取材協力弁護士  寺林智栄 ともえ法律事務所 事務所Facebook Blog
東京弁護士会所属。様々な会務活動をこなしながら刑事事件や離婚問題、労働問題、借金問題、詐欺、不当請求などに取り組んでいます。一人でも多くの方々の悩みの解決のために邁進中。

ライター 大田タケル Blog Twitter

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