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ゲームのアカウントやアイテムに金銭的価値があるのか弁護士に聞いてみた

非常に便利なフリマアプリ「メルカリ」だが、最近話題になった紙幣や領収書の出品のように、中にはその出品自体が法律に触れると指摘される商品も幾つかあり、色々と物議を醸している。

さてそんなメルカリの幅広い商品の中に、ソーシャルゲームやオンラインゲームのアカウントも含まれていることをご存知だろうか。ゲームのアカウントやアイテムなどを現金で売り買いする行為をRMTと言うが、RMT自体は多くの会社が利用規約等で禁止している。ところがメルカリではRMTが可能なのだ。

ちなみにゲームのアカウントやアイテムの所有権はユーザーにない。ユーザーが所有していないならば誰が所有しているか。強いていうならばゲーム運営会社だろう。しかしそもそも所有権とは「もの」にのみ生じるため、ゲーム会社が持つのは著作権と言えるのかもしれない。

電子データに過ぎないアイテムやアカウントを、そもそも所有権すら保持していないユーザーが、メルカリ上で売買をする事自体に色々な問題がありそうだが、これが成り立つのは、やはりそのアイテムに金銭的価値があるということなのだろうか。今回はこの問題について清水陽平弁護士に伺った。

金銭的価値が認められるかどうかは非常に難しい問題だが…

早速だが、ソーシャルゲームやオンラインゲームのアカウントやアイテムに金銭的価値はあるのだろうか。

「難しい問題です」(清水陽平弁護士)

まずはこのように話す清水弁護士。冒頭伝えたように、アイテムやアカウントは単なる電子データ過ぎない。そんな単なる電子データであっても、買い手がいる以上、金銭的価値があると言わざるを得ないのだろうか。

「アイテムは電子データに過ぎないので所有権の対象になりません。ただ、実際に価値があってお金を出してでも欲しいということになれば、金銭的な価値が生じることになります」(清水陽平弁護士)

しかし実際売買されている以上、金銭的価値はあるということになる

ちなみにRMTの多くが利用規約で禁止されているが、禁止されているにもかかわらず、RMTが出来てしまう。これについてはどうだろうか。

「RMTは、通常は規約により禁じられています。しかし、だからといって実際上のRMTができないのかというと、そこまで無効になるということはありません」(清水陽平弁護士)

つまりRMTが出来てしまうということは、この点からもゲームアカウントやアイテムに金銭的価値があるということになるのだろうか。

「実際RMTがされている以上、金銭的価値はあるということになります」(清水陽平弁護士)

RMTが問われる違法性とは?

RMTを禁止しているゲーム会社は、その多くが賭博罪に抵触するのではないかという懸念を抱いている。

2016年9月に内閣府消費者委員会が「スマホゲームに関する消費者問題についての意見」を発表したがそこでは下記のように述べられていた。

「実際に電子くじが賭博罪に該当するか否かについては、上記『財産上の利益』該当性に加え、「一時の娯楽に供する物」該当性等も含め、事案ごとに判断されるものである。電子くじで得られたアイテム等を換金するシステムを事業者が提供しているような場合や利用者が換金を目的としてゲームを利用する場合は、「財産上の利益」に該当する可能性があり、ひいては賭博罪に該当する可能性が高くなると考えられる」

要約すると、RMT目的でゲームを運営した場合のゲーム会社と、RMTを目的にゲームをプレイした場合のユーザーはそれぞれ賭博罪に該当する恐れがあるという。

RMTでゲームのアカウントやアイテムの売買を考えている人は、まずそのゲームの利用規約を確認してみることをおすすめする。何故なら禁止されていた場合、結果的に大きなトラブルを招く可能性があるからだ。

取材協力弁護士  清水陽平 事務所HP
東京弁護士会所属。法律事務所アルシエン共同代表パートナー。ネット上での誹謗中傷対策や炎上対策として、日本人では初となるTwitterやFacebookへの削除・開示の実績あり。その他に損害賠償、刑事告訴など幅広い案件に対応。また数々のメディアへも掲載多数。

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