HOME > 法律コラム > 【過払い金返還トラブル編】弁護士として法律を守る立場でありながらどうしてこんなことが起こるの?個人でもできる対策も弁護士が解説!
過払い金とは借金をした人が貸金業者に払いすぎた利息のことです。
そしてこれに関連して急増しているのが過払い金返還請求の弁護士・司法書士による着服問題。
返還されたにもかかわらず、依頼者に渡していないケースが度々ニュースになっています。
今回はこの問題となっている背景と、その対策について小野智彦弁護士に話を聞いてみました。
最高裁判所が、利息制限法の利率を超えた金利を取った場合のグレーゾーンを全て「クロ」と判断して以来、世の中は過払い金ブームが到来しました。
弁護士の中には、過払い金専門と謳うところも出てきて、労少なくして多大な利益が出やすいことから、弁護士の間では「過払い金バブル」という言葉が生まれたほどで、自社ビルを建てる弁護士まで出てきました。
そんな中、サラ金は過払い金を取られるだけとられ、資金不足で倒産する業者が現れ始め、そこにリーマンショック、東北大震災、さらには司法試験の合格者の大幅な増加(我々の時代に比べると5倍強の合格者)による仕事不足など、弁護士にとっては未曾有の大不況時代に入りました。
それまで地道に活動を続けてきた弁護士にとってはそれほど大きな問題ではありませんが、過払い金バブルに踊らされた弁護士にとっては、一気に収入が激減するという事態に陥り、資金不足から依頼者のための預り金を流用してしまうということが発生するようになりました。ゆゆしき事態です。
これは、正直なところ非常に難しい問題です。
一つは、懲戒弁護士というサイトがありますので、そこに依頼しようとする弁護士の名前を検索にかけてみて、過去に懲戒の経験があれば避ける、というのが賢明です。
過払い金を専門にし、大げさな宣伝文句を謳っている事務所も避けた方がいいでしょう。また、お年寄りの先生がそのような大げさなサイトに持ち上げられていたりすると、注意した方が良いかもしれません。
過払い金を受け取っていないことが判明したら、他の弁護士に依頼して回収してもらう、或いは、弁護士会に紛議調停の申し立てをする、懲戒の申し立てをする等のことを検討するのがよいでしょう。