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出張が多い企業は必見!旅費規程で日当を使って節税する方法と注意点!

仕事の都合で、遠隔地に出張することはよくあると思いますが、この場合の出張費用については、実費精算されることが通例です。実務上は、実費精算される交通費に加え、出張規定に基づいた一定の金額の日当も支給することがありますが、この日当については、原則として所得税が非課税となります。

なお、非課税となる一定の金額については、所得税法上、「その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるもの」とされています。

実費精算は義務ではない

日当は別にして、出張先までの交通費や宿泊費については、実費精算の会社がほとんどです。しかし、先の日当に関する条文を読むと、旅行に通常必要であると認められれば非課税となる訳ですから、必ずしも実費精算することなく、出張場所に応じて一定の金額を交通費として決めるなどして、その金額が相当なものであれば、実費よりも多くの金額をもらっても非課税とすることができます。

実際のところ、日当は会社がすべての経費を実費精算することが難しいことがあって認められたものですので、実費精算が当たり前の旅費や宿泊費についても、この取扱いが適用できると考えられます。

支給基準の要件として

ただし、この取扱いの適用を受ける場合には、支給基準について以下の要件を満たす必要があります。

(1) その支給額が、その支給をする勤務先の役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか。
(2) その支給額が、その支給をする勤務先と同業種、同規模の他の会社等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか。

この支給基準を満たした上、かつその金額が社会通念上相当であれば、非課税として取り扱うことが出来ます。

旅費規定の整備

なお、実費精算するのではなく、日当に含める形で精算をするのであれば、その支給基準が問題になりますので、少なくとも文書で旅費規定は整備しておくべきでしょう。税理士によっては、税務調査の直前になって旅費規定を作ってバックデートする、といったことを指導する方もいますが、バックデートはリスクが大きいため、予め客観的で相当な規定を作っておく必要があります。

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

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