HOME > 法律コラム > 頼んだ宗派と違うお坊さんがきた!見習いのお坊さんがきた!これって損害賠償は可能?
葬儀トラブルが急増しています。
「価格や内容について十分な説明がない」や「小規模な葬儀を希望したのに高額料金を請求された」などといったトラブルが寄せられているようです。
独立行政法人 国民センターの発表によると、2009年〜2013年までの葬儀サービスについての相談件数は年々増加し、2013年にはその間で最も多く729件あったそうです。
(引用元:http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/sougi.html)
そこで今回は葬儀トラブルの中でも増加傾向にある「宗派の取り違えトラブル」について桐生貴央弁護士に話を聞いてみました。
可能です。
葬儀の時にお坊さんお経をあげて貰いますが,そもそも何故お経をあげて貰わなければならないのか,ということになると宗教論になってしまいますので,ここでは省くとして,法律的に言うと,遺族としては,例えばAという宗派のお経をあげて欲しいと注文したのに,注文を受けた葬儀屋がBという宗派を用意したということになります。
お昼ご飯にクリームパスタを注文したのに,ナポリタンがでてきたようなものですね。
これ,パスタなら注文の取り違えでも,まぁいいかといって食べるかもしれませんが,こと葬儀にあたっては,亡くなった人にとっては最期の儀式ですので,到底間違える事は許されませんし,他のものに代替させることもできません。
したがって,この場合には契約違反として損害賠償請求する事が出来ます。そして,契約違反で契約解除と言う事になれば,契約は初めから無かった事になりますので,この場合には支払った戒名代も返して貰う事が出来ます。
契約の内容によります。
高名な僧侶による葬儀を執り行いたいと依頼したにもかかわらず,そこらにいるバイトの見習い坊主では,期待した格式ある葬儀を行った気持ちには到底成り得ませんので,契約違反として損害賠償請求する事は可能です。
お坊さんなら見習い坊主でも誰でもいいよ,ということで注文したのであれば,バイトの見習い坊主であったとしても契約違反にはならないので損害賠償の対象にはなりません。