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自販機手数料、飲食料品のOEM、食材業者からのリベートはそれぞれ軽減税率の対象?

平成31年10月から始まった増税ですが、問題とされている軽減税率の中で、とりわけ押さえておきたいことは、「役務の提供」と「譲渡」を明確に区分しなければならない、ということです。あくまでも、軽減税率の対象になるのは飲食料品の「譲渡」であり、「役務の提供」ではないからです。

具体例1~自販機手数料~

この典型例が自販機手数料です。自動販売機を通じて飲料を購入すると、それは飲食料品の譲渡ですから軽減税率の対象になります。一方で、自動販売機を設置している企業が飲料メーカーなどから収受する自販機の手数料は、飲料の譲渡ではなく、設置させるというサービスの対価ですので、標準税率となります。

具体例2~飲食料品のOEM~

次に、よくある例でもありますが、弁当などをOEMで製造する業者については、その売上を精査して判断しなければならないとされています。製造した弁当について、弁当として注文者に引き渡すのか、それとも注文者はあくまでも製造先に弁当を作る加工というサービスを依頼しているのかで取扱いが変わります。前者は飲食料品の「譲渡」ですから軽減税率となり、後者は加工という「役務の提供」ですから。標準税率となります。

両者の判断基準としては、個別に契約などを判断するより他にありませんが、一つの根拠としては、材料を有償で製造業者に引き渡したり、製造業者が独自に調達したりしているか、それとも材料はあくまでも供給先が所有したまま、加工だけを依頼しているのか、この材料の所有権の有無があると言われています。

具体例3~食材業者からのリベート~

次に、よくある例でもありますが、弁当などをOEMで製造する業者については、その売上を精査して判断しなければならないとされています。製造した弁当について、弁当として注文者に引き渡すのか、それとも注文者はあくまでも製造先に弁当を作る加工というサービスを依頼しているのかで取扱いが変わります。前者は飲食料品の「譲渡」ですから軽減税率となり、後者は加工という「役務の提供」ですから。標準税率となります。

両者の判断基準としては、個別に契約などを判断するより他にありませんが、一つの根拠としては、材料を有償で製造業者に引き渡したり、製造業者が独自に調達したりしているか、それとも材料はあくまでも供給先が所有したまま、加工だけを依頼しているのか、この材料の所有権の有無があると言われています。

具体例3~食材業者からのリベート~

加えて、卸売業者などの食材業者から、小売店である食材業者が仕入れる場合、卸売業者から支払われるリベートについても取扱いが分かれることになります。食材の値引きであれば、食材の譲渡金額を少なくするため、軽減税率の売上の減少として処理されることになります。

一方で、リベートと言っても千差万別で、例えば販路を拡大したことによる奨励金を下請けの販売店に交付するリベートもあります。このような奨励金は、「役務の提供」に当たるとされ、標準税率になると解説されています。

その他にも

現状、指摘されているものとしてはこのくらいですが、この先新たな問題が発生することも否定できません。国税の情報に着目しながら、慎重に処理をする必要があります。

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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