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amazonなどを利用して少額商品を国外にEMSで輸出する場合の輸出免税

消費税においては、輸出免税という制度が設けられています。輸出免税とは、文字通り輸出した場合には消費税を免除するという制度です。輸出免税については、売上に対する消費税は免除されるものの、それに係ったコストに対して課税される消費税については控除が認められますので、輸出免税取引が多い会社は、消費税の還付を受けることが多くあります。

輸出証明が重要

この輸出免税の要件として、輸出証明が必要とされています。輸出証明の典型例は、船積みの時に発行されるインボイスです。このような典型的な輸出取引であれば分かりやすいですが、近年はアマゾンなどを使って少額商品を国外にEMSで輸出する、というケースもよくあります。この場合、どのような取扱いとなるかが問題になります。

EMSの取扱い

国外に早期に発送できるEMSですが、EMSの場合、20万円までであれば即送ることができます。このため、輸出に関しては特に手続きが必要ならない訳ですが、EMSの控えを保存するとともに、帳簿に輸出した事項として、資産の輸出の年月日や品名並びに品名ごとの数量及び価額など、一定の事項を記載しておけば問題ないとされます。

なお、20万円を超える場合は、別途税関に輸出申告書を提出するなど、輸出手続きが必要になります。このような手続きがない場合には、輸出免税の要件を満たさないとされますので注意が必要です。満たさなければ、海外のお客からは消費税がもらえないにもかかわらず、消費税が課税されることになります。

伝票と品目が異なる場合

よくある疑問点の一つに、EMSの伝票に書かれた品目の内容と、実際に輸出された品目の内容が異なる場合に、輸出免税が受けられるか、というものがあります。記載内容と異なる理由として、正確な品目を記載してしまうと、盗難等のリスクがあるため、敢えて雑貨などとしているといった事情があるようです。

この点、必ずしも明確ではありませんが、EMSで特に手続きがいらない20万円までの場合、法令上は一定の事項を記載した帳簿か、受取人からもらう一定の事項が書かれた受取書が輸出証明の書類になると説明されています。となると、帳簿の保存だけでも理論的には可能なはずですから、品目が異なっていたとしても問題ないと解されます。

この点、こちらのような情報もありましたので、ご参照ください。

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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