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【持続化給付金】対象となる事業者は?事業所得でなく雑所得でもOK?

新型コロナウイルスの影響で、休業せざるを得ない個人事業主と法人に対し、その事業の継続を支える目的で国から持続化給付金が支給されます。この持続化給付金は、昨年1年間の売上減少額を上限として、中小法人は200万円、個人事業主は100万円の支給されることになっています。

対象となる事業者とは

対象になる事業者は、原則として、以下とされています。

1 ひと月の事業収入が前年同月比で50%以上減少していること
2 2019年以前から事業収入を得ていること
3 今後も事業継続する意思があること
4 一定の中小規模の事業者であること
5 2019年の確定申告書の控えなど、一定の書類を添付すること

事業収入の範囲

この持続化給付金について、問題になることの一つに、50%以上の減少があるとされる事業収入の範囲があります。この点、経済産業省のFAQを見ると、事業所得の収入は問題ないものの、不動産収入や給与収入、そして副業などの雑所得の収入は含まないとされています。このため、不動産投資家の賃料収入や副業の売上が下がっても、持続化給付金の対象にはなりませんので注意が必要です。

なお、上記の通り確定申告書の控えを添付する必要があり、その申告書は税務署の収受印が付されたものとされますので、収入の性質は分かります。

再申告でOK?

先日、とある全国紙に掲載された記事ですが、雑所得の収入しかないような場合、対象にならないため、雑所得を自分で否認して事業所得として再申告すれば、持続化給付金の申請を認めると、経済産業省の担当者がコメントしたという記事が掲載されました。このようなコメントが仮になされたのであれば大きな誤りなので注意が必要です。

というのも、個人の収入が、雑所得になるか事業所得になるかは申告する納税者が決めるものではなく、法律の解釈で決まるからです。このため、持続化給付金を目的に、本来雑所得であるものを事業所得として申告することは違法行為になります。このような違法な再申告で持続化給付金の支給を受ければ、不正受給として、返金等しなければなりませんので注意が必要です。

事業所得と雑所得の区分は厳しい

とりわけ、事業所得と雑所得の区分に税務署は厳しいです。安直な再申告は税務調査で痛い目にあいますので注意してください。(次回に続く)

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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