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中小企業の代表的な節税の一つに、社員の慰安旅行があります。慰安旅行については、以下の要件を満たす場合、その金額が多額でなければ原則として法人の経費とすることができます。
1 旅行の期間が4泊5日以内であること。海外旅行の場合は、外国における滞在日数でカウント。
2 従業員全員を対象とし、旅行に参加した人数が全従業員の50%以上であること。50%以上の判断は、工場や支店ごとに行う旅行の場合、工場や支店ごとの人数を基準とすることが可能。
3 不参加者に対し、金銭を支給しないこと
これらの要件を満たさない場合、社員に給与を与えたことと同様として、給与として源泉所得税が課税されますので注意が必要です。

前回、グループ法人税制の適用対象となる、100%の支配関係がある法人間で一定の資産を譲渡しても、含み損が使えないという制限がある、と解説しました。このため、含み損を活用するためには、原則としてグループ法人税制から外れる必要があります。
この外れ方は簡単で、100%の支配関係がある場合が対象になりますから、1%でも他人に持たせれば原則としてクリアすることができます。ただし、ここで問題になるのは、他人に自社の株式を持たせるのは大きなリスクになる、ということです。他人に株を少数でももたれれば、株価を高い値段で買い取るような請求を受けるなど、事業経営上問題が生じます。
このため、持たせる方法が重要になります。この場合、一番いいのは一般社団法人と言われます。

平成22年度改正により、グループ法人税制という制度が導入されています。これは、100%の支配関係がある複数の法人について、法人は異なるものの、一つの法人として所定の規定を適用する制度です。
例えば、会社が支店をつくった場合、その支店の口座に本店の口座からお金を送金してもその送金に対して法人税はかかりません。支店は単に拠点に過ぎず、法人は一つですから、利益は発生しないからです。自分が持っているA銀行の口座からB銀行の口座のお金を移しても、税金がかからないことと同様です。
グループ法人税制は、それを異なる法人にまで拡大させるイメージです。同じ一人の株主甲法人に100%支配されている乙法人と丙法人がある場合、乙法人と丙法人はそれぞれ甲法人の支店に過ぎないとみなして、乙法人から丙法人に送金しても税金はかからないとするのがこの制度の骨格です。

前回、領収書の保存がなくても経費にできると申しましたが、その取扱いはあくまでも法人税や所得税に関してです。消費税については、法人税や所得税とは異なり、領収書、正確には請求書や納品書などですが、これらの資料の保存がなければ問題になります。
消費税については、法人税や所得税とは異なり、請求書等保存要件が設けられています。ここでは、請求書等を保存しない限り、消費税の経費を意味する仕入税額控除ができないと明記されています。

税務調査において、調査官が経費を確認する際、領収書がないと経費にならないと指導することが多くあります。この背景には、経費のように納税者にとって有利なものは、納税者が立証しなければならないという立証責任の考え方があります。

国税が税務調査を行う場合には、原則として税務調査に先立って、納税者に税務調査で必要になる書類などについて連絡を行う必要があるとされています。この連絡を事前通知と言いますが、納税者があらかじめ国税に対し、納税者ではなく税理士に事前通知をする旨届け出ていれば、国税は納税者ではなく、その届け出た税理士に連絡を行う必要があるとされています。
一般の納税者が国税の話を聞いてもよく分かりませんし、税理士の方が税務調査になれていますから、当然この届出をして、税理士に事前通知をさせるべきと言われています。

印紙税も税金である以上、一定の場合には、還付請求が認められます。この還付請求をする手続きを印紙税過誤納確認申請と言います。印紙税過誤納確認申請により還付の対象になるのは、原則として以下の3つです。

平成29年度改正により、中小企業経営強化税制という制度が創設されています。この制度は、先日廃止された、中小企業の投資促進税制の上乗せ措置(生産性向上設備投資促進税制)に代わる制度として設けられたもので、所定の要件を満たす中小企業が行った一定の設備投資については、設備投資減税(投資額の全額の即時償却か、投資額の一定割合の税額控除)を認めるという制度です。
制度の詳細については、こちらをご参照ください。

平成28年度改正により、高額特定資産の制限という規定が消費税法において導入されました。この規定は、1千万円以上の固定資産を購入した場合に発動されるもので、このような固定資産を購入した場合、購入した年度において消費税の課税事業者であれば、原則としてその購入した年度から3年間、消費税の免税事業者になることができません。

不良債権など実質的に全額の回収が見込めない債権については、事実上の貸倒れが認められます。この回収が見込めないかどうかの判断については、債務者に債務超過の状況が長期間継続し、今後も好転する見込みがないことなどから、客観的に回収できないことが明らかである場合をいうこととされています。

法人税で問題になる貸倒損失は、以下の3つに限り認められるとされています。
1 法律上の貸倒れ
会社更生法による債権の切り捨てなど、法律上債権が消滅する場合に認められるものです。
2 事実上の貸倒れ
法的に債権を切り捨てられた訳ではありませんが、実質的に全額回収できないと認められる場合などに認められます。
3 形式上の貸倒れ
売掛債権など、継続的に取引がある者に対する一定の債権について認められるもので、1年以上支払いがない場合などに計上することができます。
上記の内、実務で最も問題になるのは事実上の貸倒れです。実質的に回収できないという判断が難しいため、国税とトラブルになります。あらかじめ、貸倒れに至った経緯などについて資料としてまとめておく必要があります。

前回、上場企業の株式の配当金の課税方式について、総合課税、申告分離課税、申告不要制度から選択することができると説明しましたが、この選択について、先日国会を通過した平成29年度改正においては、非常に大きな改正が実現しています。この改正は、国税と地方税でそれぞれ異なる方式を選択できる、というものです。
従来、国税で総合課税を選択していれば地方税も総合課税を選択する、といった話になっていましたが、今後は国税で総合課税を選択し、地方税では申告不要制度を選択するといったことが可能になります。

上場企業の株式を購入して配当を貰った場合、配当金の税金が課税されますが、課税される配当金については、以下の3つの方式から計算方法を選択することができます。
1 総合課税
2 申告分離課税
3 申告不要制度

名義預金として国税が税金を課税するには、子供や配偶者などの名義となっている預金が被相続人の預金であることを国税が立証しなければなりません。このため、安易に国税の指摘に従うのではなく、粘り強く反論することを心がけておく必要があります。

相続税の税務調査において、最も多く国税から問題にされるのは、名義預金です。本当は被相続人の預金であるにもかかわらず、配偶者や子供名義で預金を作り、名義が違うことから被相続人の相続財産から除く、という相続税対策がよく見られますが、国税は名義に関係なく、実質的に被相続人の預金と言えるのかを問題にし、被相続人のものと認定できるのであれば、被相続人の名義預金として相続税を課税することになります。

居住用財産を売却した場合に、譲渡所得から3千万円の控除が認められるという特例がありますが、この判断で往々にして問題になるのは、「居住」の用に供していたかどうかの判断です。居住している、という判断を前提にすれば、一般的には住民票で見れば足りることになると考えがちですが、住民票は絶対的な基準ではありません。実際のところ、引越ししても住民票を変えない場合もありますが、実際に居住をしていたのであれば、居住用財産として、3千万円控除の対象とすることができるとされています。なお、住民票の住所とマイホームの所在地が違う場合には、戸籍の附票の写しなど、マイホームを居住の用に供したことを明らかにする書類を確定申告書に添付しなければならないとされています。

マイホームを売った場合、押さえておくべき特例として、居住用財産の3千万円控除というものがあります。これは、所定の要件を満たすマイホーム(居住用財産)の売却について、その譲渡益から3千万円を控除できるという制度であり、この特例を確定申告で適用することで、譲渡所得を大幅に圧縮することができます。

6年ほど前の事例ですが、違法スレスレの税務調査を行うと有名な、大阪国税局の税務調査において、調査官の威圧や誘導があったと国税不服審判所から認定された事件があります。この事件においては、調査官が事実に反する内容の回答をさせたり、隣室の会議に支障が出るほどの怒鳴り声を挙げたりしたことが明らかになっています。
国税不服審判所や裁判所は、基本的には国税の味方なので、違法スレスレの税務調査が行われていても国税に問題はないと判断することがほとんどです。しかし、この事件はそれと真逆の判断がなされているわけで、非常に大きく報道されました。

税務調査対策に強いと宣伝する税理士の多くが、税務調査に協力すれば、早く調査を終わらせることができると解説しています。ここでいう税務調査に対する協力は、調査官が見たい資料を素早く提示すること、そして調査官の質問に嘘偽りなく迅速に回答することを意味しています。調査官が税務調査を円滑に行えるよう協力すれば、その見返りとして負担がかかる税務調査を調査官が早く終わってくれる、こんな解説がなされています。

実務上、相続税対策の一環として、親から子にアパートやマンションなど、不動産投資をしている物件を贈与することがあります。相続財産を減らしたり、不動産投資の収益を子に渡すことで納税資金を作ったりする目的でこのような贈与を行うわけですが、注意しておきたいのはその投資物件に係る敷金です。
アパートやマンションを賃貸する場合、賃借人から敷金を預かりますが、この敷金は将来賃借人に返すべきものですから、負債となります。この敷金を返済する義務については、賃貸している建物の所有者が変わる場合、建物の新所有者に当然に移転するとされています。つまり、親から子にアパートを贈与すれば、親が賃借人に返還すべき敷金についても、同時に子に移転することになります。