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相続税の評価で問題になる土地の評価は、路線価方式(土地の接している道路の価格を前提に評価する方法)と倍率方式(固定資産税評価額に所定の倍率をかけて評価する方法)のいずれかで評価します。このうち、路線価方式については正方形や長方形など形の整った土地(整形地)を利用に適しているとした土地として、それを前提に評価します。
一方で、間口が狭かったり奥行きが長かったりするなど、土地の利用が困難になる要因について、所定の減額が認められる反面、複数の路線に接しているなど、利用効率がアップすれば、その分増額させるという仕組みになっています。
このため、形の整っていない土地を路線価方式で評価する場合には、所定の評価減が認められており、このような形が整っていない土地を不整形地と言います。

相続税の申告で問題になる土地の評価については、土地の用途に係る区分である地目に応じ、それぞれに定める方法で評価することになっています。相続税評価において、地目は9種類ありますが、最も雑多な地目が雑種地です。雑種地は、残り8種類の地目以外の地目に区分される土地を意味するとされています。
このように、雑多な内容であることもあって、雑種地の評価は非常に難しいと言われています。

非居住者や外国法人と取引をして、彼らにお金を払う場合、源泉徴収の必要性を考える必要があります。源泉徴収の対象になるのは、一定の利子や配当、ロイヤリティーなどです。これらの所得については、非居住者や外国法人に対して日本の所得税や法人税の納税義務が発生しますが、源泉徴収しておかないと申告しない場合が想定されますので、予め源泉徴収をすることとされているのです。

世界経済に大きな悪影響を与えている新型コロナウィルスですが、その対策として押さえておきたいことの一つに賃料の減額要請があります。コロナにより経営に悪影響があった場合、固定費である賃料の負担を抑えるため、大家に賃料の減額を認めることについて税務上の支援があります。

suicaにチャージして交通費に充てることは多くありますが、この場合経費計上するタイミングは原則としてチャージしたタイミングではなく、交通費を支出した時期になります。チャージはお金を預けたことと一緒であり、実際に交通機関からサービスを受けた訳ではないからです。しかし、この取扱いには例外があります。

法人が社長から土地を借りて、そこに本社ビルを建てるような場合、法人税においては借地権の課税問題が生じます。借地権とは土地を使用する権利をいいます。法人税の取扱いとして、この借地権を取得する場合、言い換えれば土地を借りて建物を建てて使うような場合には、資産を取得したという処理を行う必要があります。
資産を取得するとなると、その対価として適正なお金を支払わない限り、資産をもらったとして受贈益を計上する、といった課税問題が生じます。

税務調査に関してよく質問を受けることの一つに、税務調査を実施する国税調査官にどこまで裁量が認められるか、ということが挙げられます。税務調査の実務においては、国税調査官の裁量で課税もれがお咎めなしになることもありますのでこのような疑問が生じる訳ですが、結論から申し上げますと、国税調査官に裁量はありません。

法人の経理においては、決算日、すなわち計算対象となる年度が重要になります。この年度を事業年度と言い、事業年度は法人の定款で定めることになります。税務上もこの定款で定めた年度を事業年度として法人税の計算を行う期間としています。
この事業年度の例外として、法人税においてはみなし事業年度という年度があります。これは、法人の定款で定めた事業年度ではないものの、事業年度とするのが適当であるため事業年度とみなして法人税の計算を行うこととした期間を言います。このみなし事業年度の代表例が、法人の解散です。

相続が発生すると、被相続人の財産を各相続人に分割する必要がある訳ですが、その分割の方法には3つあります。具体的には現物分割と代償分割、換価分割の3つです。

民法上、取得時効という制度があります。時効とは、ごく簡単に言えば真実より時間の経過を優先させる制度です。この考え方から、一定の場合、真実は所有者ではなくとも、長年にわたりその財産を占有(所有者のように公然と支配している状態を言います)していれば、その時間の経過を優先させ、原則としてその一定の期間を経過したタイミングで、その占有している者を真実の所有者として取り扱うこととされています。
時効は、真実の所有者であれば自分に所有権があることを当然に主張するべきであり、権利があることを放置してそれを守る努力をしない者は救わない、といった考えをベースとしています。物の占有を長年にわたり許している、ということは自分の所有権を放棄していることと大きく変わりません。
なお、取得時効について、最も問題になる財産は土地です。

2020年の年末調整には注意点が大きいのですが、中でも大きなインパクトがあるものと言われるのが、年末調整の電子化です。これは、従来から年末調整は紙で行われることが通例でしたが、それは非効率ですので、事務負担の軽減などを目的に、電子データで年末調整関係書類を提供できるようにしたものです。(前編はこちら)

サラリーマンの給与について、毎年年末に行われる年末調整について、2020年もその時期が迫ってきました。今回の年末調整は、一例として以下のような重要な改正が多いため、注意して行う必要があります。
・給与所得控除の改正
・基礎控除の改正
・所得金額調整控除の創設

合併などの組織再編成を行う場合、組織再編成税制が問題になります。組織再編成税制は非常に複雑ですが、大きな柱として、組織再編成を適格・非適格に区分することが挙げられます。適格にあたると、組織再編成に対する課税が繰り延べられますので、実務上は適格組織再編成を行うことがほとんどです。
合併、分割といった組織再編成の種類ごとに適格とされる要件は若干異なりますが、基本的な考え方は共通しており、適格とされる要件はおおむね同一です。紙面の都合上全ての要件は解説しませんが、共通する適格要件の一つに、金銭等不交付要件が挙げられます。

所得税の節税の代表例として、小規模企業共済が挙げられます。小規模企業共済は一定の個人事業主や役員が廃業や退職に備えて積み立てるもので、その掛金は所得控除の対象になります。最大で月7万円設定できますので年84万円もの控除が認められるとともに、1年以内の前納ができますから、駆け込み的な節税として、使い勝手も非常にいいものです。
更に、それは共済金を受け取る場合もメリットがあり、課税上有効な退職金や公的年金扱いで課税されることになります。

支出する役員報酬の金額は、原則として毎月同額でなければ経費にならないとされています。このような、毎月同額の報酬を定期同額給与と言いますが、これに関連して、実務上よく問題になるのは、未払経理は認められるか、ということです。
未払経理とは文字通り、報酬を支給日に現金で支払わず、(将来払うべき)債務として経理することを言います。法人税の取扱いとして、サービスの提供を受ければ、実際にお金を払わなくても未払経理して経費計上が認められるとされていますが、同じような取扱いがこの定期同額給与にも認められるのか、疑義があります。

令和2年分の年末調整より、年末調整の電子化がスタートします。これは平成30年度改正を受けてのものです。同年度の改正においては、生命保険料控除の証明書など、一定の年末調整に係る書類について、電子情報で雇用主に提出することができることとされました。
従来、生命保険料控除などの証明書ははがきで保険会社から送付され、そのはがきを年末調整の書類に添付することで生命保険料控除などの適用を年末調整で受けていましたが、今後は保険会社などから電子データで証明書を受領し、その電子データを勤務先に提供することで年末調整において控除を受けられることとなります。

税務上、自分の土地などを収用されて補償金を得た場合には、その補償金について課税の特例が認められる場合があります。その典型例は5千万円控除、というもので、この規定の対象になれば、年5千万円まで補償金が非課税とされます。
ただし、収用により交付を受けるすべての補償金についてこの特例の対象になる訳ではありません。対象になるのは、原則として対価補償金に限られています。

賃貸した物件の内装工事など、いわゆる造作は、その支出をした賃借人である法人の固定資産になります。資産になるということは、価値があるということですので、それを手放すときには、時価で譲渡しなければならない、というのが税務上の大原則です。これが問題になるのは、物件を退去する時です。
物件を退去する際、賃借人は原則スケルトンで返すことになります。スケルトンで返す場合には、造作を取り壊すのでその造作の帳簿価額を除却損として計上します。一方で、現在は造作を取り壊さない居抜き譲渡も増えています。居抜き譲渡で造作部分を買い取ってもらえればいいですが、無償で大家に譲り渡すことも多くあり、その場合の先の大原則が問題になります。

令和2年分の年末調整と確定申告から、新しい所得控除として、所得金額調整控除が導入されます。所得金額調整控除とは、平成30年度改正により、給与所得控除等が見直されたことに伴う措置で、この見直しにより増税になる部分について、その調整のために設けられた控除を意味します。具体的な内容を見る前に、平成30年度改正による、所得税の改正を見ていきたいと思います。

去る令和2年6月30日、税の分野で画期的な最高裁判決が出されました。この判決は、ふるさと納税制度の対象から除かれた泉佐野市が国を訴えたもので、地裁・高裁と国が勝訴していましたが、最高裁で国が逆転敗訴したものです。
税に関する訴訟については、三権分立などと言いながら、裁判所は国を勝たせることがほとんどです。このため、泉佐野市についても地裁や高裁では忖度がありましたが、最高裁はこのような忖度をせず、常識的な判断をしています。