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合併などの組織再編成を行う場合、組織再編成税制が問題になります。組織再編成税制は非常に複雑ですが、大きな柱として、組織再編成を適格・非適格に区分することが挙げられます。適格にあたると、組織再編成に対する課税が繰り延べられますので、実務上は適格組織再編成を行うことがほとんどです。
合併、分割といった組織再編成の種類ごとに適格とされる要件は若干異なりますが、基本的な考え方は共通しており、適格とされる要件はおおむね同一です。紙面の都合上全ての要件は解説しませんが、共通する適格要件の一つに、金銭等不交付要件が挙げられます。

所得税の節税の代表例として、小規模企業共済が挙げられます。小規模企業共済は一定の個人事業主や役員が廃業や退職に備えて積み立てるもので、その掛金は所得控除の対象になります。最大で月7万円設定できますので年84万円もの控除が認められるとともに、1年以内の前納ができますから、駆け込み的な節税として、使い勝手も非常にいいものです。
更に、それは共済金を受け取る場合もメリットがあり、課税上有効な退職金や公的年金扱いで課税されることになります。

支出する役員報酬の金額は、原則として毎月同額でなければ経費にならないとされています。このような、毎月同額の報酬を定期同額給与と言いますが、これに関連して、実務上よく問題になるのは、未払経理は認められるか、ということです。
未払経理とは文字通り、報酬を支給日に現金で支払わず、(将来払うべき)債務として経理することを言います。法人税の取扱いとして、サービスの提供を受ければ、実際にお金を払わなくても未払経理して経費計上が認められるとされていますが、同じような取扱いがこの定期同額給与にも認められるのか、疑義があります。

令和2年分の年末調整より、年末調整の電子化がスタートします。これは平成30年度改正を受けてのものです。同年度の改正においては、生命保険料控除の証明書など、一定の年末調整に係る書類について、電子情報で雇用主に提出することができることとされました。
従来、生命保険料控除などの証明書ははがきで保険会社から送付され、そのはがきを年末調整の書類に添付することで生命保険料控除などの適用を年末調整で受けていましたが、今後は保険会社などから電子データで証明書を受領し、その電子データを勤務先に提供することで年末調整において控除を受けられることとなります。

税務上、自分の土地などを収用されて補償金を得た場合には、その補償金について課税の特例が認められる場合があります。その典型例は5千万円控除、というもので、この規定の対象になれば、年5千万円まで補償金が非課税とされます。
ただし、収用により交付を受けるすべての補償金についてこの特例の対象になる訳ではありません。対象になるのは、原則として対価補償金に限られています。

賃貸した物件の内装工事など、いわゆる造作は、その支出をした賃借人である法人の固定資産になります。資産になるということは、価値があるということですので、それを手放すときには、時価で譲渡しなければならない、というのが税務上の大原則です。これが問題になるのは、物件を退去する時です。
物件を退去する際、賃借人は原則スケルトンで返すことになります。スケルトンで返す場合には、造作を取り壊すのでその造作の帳簿価額を除却損として計上します。一方で、現在は造作を取り壊さない居抜き譲渡も増えています。居抜き譲渡で造作部分を買い取ってもらえればいいですが、無償で大家に譲り渡すことも多くあり、その場合の先の大原則が問題になります。

令和2年分の年末調整と確定申告から、新しい所得控除として、所得金額調整控除が導入されます。所得金額調整控除とは、平成30年度改正により、給与所得控除等が見直されたことに伴う措置で、この見直しにより増税になる部分について、その調整のために設けられた控除を意味します。具体的な内容を見る前に、平成30年度改正による、所得税の改正を見ていきたいと思います。

去る令和2年6月30日、税の分野で画期的な最高裁判決が出されました。この判決は、ふるさと納税制度の対象から除かれた泉佐野市が国を訴えたもので、地裁・高裁と国が勝訴していましたが、最高裁で国が逆転敗訴したものです。
税に関する訴訟については、三権分立などと言いながら、裁判所は国を勝たせることがほとんどです。このため、泉佐野市についても地裁や高裁では忖度がありましたが、最高裁はこのような忖度をせず、常識的な判断をしています。

令和2年度改正においては、連結納税制度が改組され、グループ通算制度という制度に切り替わりました。従来、連結納税制度が非常に複雑だったこともあり、それを簡便にしてほしいという国税の依頼もあって、仕組みが簡単になっています。
ただし、簡単になった反面、この制度は連結納税制度のメリットを大きく減少させています。

相続税の特例として、被相続人が事業や居住のためなどに使っていた宅地を、一定の要件を満たす相続人が相続した場合、一定の面積まで宅地の評価を下げられる小規模宅地の特例が設けられています。この特例の対象になる宅地の一つに、貸付事業用宅地等があります。
この宅地は、原則として、被相続人がマンションや駐車場の貸付など、不動産賃貸に使っていた宅地が該当します。このような宅地について、その被相続人の不倒産賃貸事業を引き継ぐ相続人が相続し、相続税の申告期限まで保有するなど一定の要件を満たす場合には、200㎡まで、50%の評価減の適用を受けることが出来ます。

先日、ノーベル賞学者の本庶佑教授について、大阪国税局が22億円の申告もれを指摘したという報道がなされました。この課税処分は、とある会社と本庶教授との間の特許権の使用料に対するものです。本庶教授は支払われるべき金額が少ないとして、受け取りを拒否していたようですが、支払うべき会社はそれを供託したということなのです。

個人で株を譲渡した場合、譲渡所得の課税が生じますが、その譲渡所得の計算は、譲渡による収入金額から譲渡した株式の取得費などを控除して計算します。取得費とは文字通り株を取得した金額を言いますが、例えば同じ銘柄の株式を二回に分けて取得するような場合、別途計算が必要になります。

最近、持続化給付金を詐取したというニュースを多数目にするようになりました。持続化給付金については、経済産業省の審査の甘さもあって、このような問題が生じることは当然予想された訳ですが、残念なことにその予想が正しかったことが明確になったようです。
とりわけ、非常に恥ずかしい話ですが、同業者である税理士がこのような持続化補助金の詐欺にかかわっている、というニュースも見られるようになりました。仮にこのようなニュースが正しければですが、国から資格をもらっておきながら、国難を利用する税理士を絶対に許すことはできません。

去る9月3日、税務の専門家にとって驚くべき判決がなされました。この判決、現在大きな問題になっている販売用マンションの消費税の取扱いに関するもので、ADW社が提訴しているものです。販売用マンションの消費税について、数年ほど前から国税は従来の見解を改め、その消費税の全額を控除することはできないと指摘し、多くの税金を追徴してきました。
このような課税を不当として、ムゲンエステート社が訴訟を起こしていますが、その裁判では現状国税が勝訴しています。にもかかわらず、ADW社については東京地裁で国側敗訴と180度異なる判断となっている訳で、大きな注目を集めています。

実務でよく見るファイナンス・リースについては、税務においてはリース資産の引渡しの際に資産の売買があったとして処理されることが原則です。ファイナンス・リースは、①解約不能か、解約するにしてもリース資産の金額に相当する膨大の違約金が必要になるため、実質的に解約できないものであり、②修繕等のコストを賃借人が負担するため、実質的に売買と変わらないことからこのような取扱いになっています。
ただし、このような売買とされるリース取引(税務上のリース取引)のうち、リース資産をリース期間の終了時にリース会社に返還すべきもの(所有権移転外リース)は、その例外として売買ではなく資産の賃貸借として処理することも認められます。
これらの取扱いは、消費税においても同様で、売買とされるリース取引はリース資産の引渡し時に、支払うべきリース料の総額に対する消費税の控除を受けることを原則としつつ、所有権移転外リースについては、賃貸借としてリース料の支払い時に、支払うべきリース料の金額で消費税の控除を受けることもできます。

前回、債務者である会社が通常清算をした場合、寄附金課税のリスクがあると解説しました。今回はこの寄附金課税について、解説します。
一般的に、寄附金とは「対価性のない支出」を意味すると言われます。対価性がない、すなわち自分に見返りのない支出をしても、それは経費とは言えないという考え方から、税務上寄附金については経費性が制限されています。
この寄附金の代表例に債権放棄があります。債権を放棄しても自社に明確な見返りはないことから、債権放棄は原則として寄附金に当たるとされているのです。

会社を清算する場合、借金を返済してから清算する必要があるため、債務超過の会社は通常の方法による清算(通常清算)ができないこととなります。このような会社が清算するためには、「特別清算」や破産などを行う必要があります。
この特別清算は、裁判所に申し出て行う清算で、いわば裁判所の監督の下で行う清算です。特別清算については、協定型と和解型の二種類があります。協定型は清算しようとする会社の債権者が協定を行った上で清算する方法であり、和解型は個別に債権者と交渉して個別の和解をもって清算する方法を言います。

所得税においては、居住者と非居住者の区分が重要になります。前者は全世界の所得に対して課税される納税者をいい、原則として国内に住所を有する者がこれに当たります。後者は日本国内に源泉がある所得(日本で働いた給与所得など)についてだけ課税される納税者で、原則として国内に住所を有しない者がこれに当たります。ご覧いただくと分かります通り、ここで重要なのは、国内に住所があるか、その住所の判定です。

未曽有の国難である新型コロナウイルスに対する税制措置として、やむを得ない事情がある場合、申告期限の延長が認められています。国税庁の資料によると、法人税の場合、感染拡大防止のため在宅勤務等をしている方がいるような場合がこのやむを得ない事情に当たり、これらの事情がなくなるまで、申告期限の延長が認められるとされています。
この制度ですが、申告期限だけでなく、届出書の提出期限についても認められるとされており、結果として税務署に所定の期限までに届け出る書類についても、提出期限の延長が認められます。

実務上、債権の回収ができない場合、その債権について貸倒損失として経費計上するかどうかの検討が必要になります。税務上、貸倒損失の計上は非常に厳しく、3つの場合しか計上が認められません。詳細は、国税庁ホームページをご参照ください。このうち、よく使われるものが形式上の貸倒れといわれるものです。これは継続的な取引がある売上先の売掛債権などについて認められるもので、最後の取引があってから1年以上経過したものなどについて、回収ができないとして、貸倒損失の計上を認めるものです。