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有名な節税策である倒産防止共済で加入者が亡くなった場合の取扱いを解説

個人事業主や会社の節税を考える上で、最も効果の高いものの一つに倒産防止共済があります。これは独立行政法人中小企業基盤整備機構が運用する共済で、年240万円までの掛金について、上限800万円まで経費とすることが出来るものです。しかも、この掛金は一度に前納することもできますから、各年の利益状況を見ながら、掛金を調整して節税する、といったこともできます。

なお、個人事業主がこの制度の適用を受ける場合には、所定の用紙を確定申告書に添付する必要がありますので注意してください。加えて、積み立てた共済掛金は、それを解約するような場合には、個人事業主の事業所得の収入金額に含まれますので、この点も踏まえて利用する必要があります。

加入者が死亡した場合

このように、有効な節税である倒産防止共済ですが、これに関してよく質問を受けることの一つに、加入者が死亡した場合の取扱いがあります。この場合の取扱いは大きく二つに分かれ、一つは加入者の相続人が事業を引き継ぐとともに、共済契約者としての地位を承継する、という方法があります。この場合には、中小機構に所定の届出が必要になりますが、原則として所得税の課税関係は生じません。

もう一つは、加入者の死亡とともに、倒産防止共済を解約するというやり方です。ただし、解約するとなると、上記の通り事業所得の収入金額に含まれますので、個人事業主の死亡の際に必要になる、所得税の準確定申告において、その申告が必要になります。

死亡解約の場合の相続税の取扱い

それにとどまらず、倒産防止共済の加入者が死亡した場合には、相続税の課税問題も生じます。この点、死亡により解約した場合には、解約返戻金が相続人に支払われることになりますので、その金額を相続財産として申告することになります。

なお、この場合の相続税の申告についてですが、解約した場合には先の通り準確定申告で解約返戻金について被相続人の所得税を申告します。この所得税は被相続人の債務に当たりますので、債務控除として相続財産から控除することが出来ます。

承継する場合の相続税の取扱い

一方で、相続人が共済契約を引き継ぐ場合には、失念することが多いと言われますので注意が必要です。契約を引き継ぐということは、解約返戻金のようなものが返って来ないからです。

このため、個人事業主の申告に当たっては、必ず倒産防止共済の加入の有無を確認しなければなりません。

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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