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税務申告書の閲覧請求と開示請求は何がどう違うかを税理士が解説

過去、紙で提出した税務申告書について、その控えを紛失するなどして内容を確認したい場合には、税務署に申告書の閲覧等を申請することが出来ます。この閲覧等は、申告書の閲覧請求と、開示請求の二つのパターンがあります。両者の違いは、前者が税務署で過去の申告書を閲覧するための手続きであり、後者が申告書の控えをもらうための手続きとなります。

閲覧請求の手続き方法

具体的な手続きですが、それほど複雑ではありません。まずは閲覧請求からですが、所定の申請書を記載した上で、本人確認書類などを提示して申請することになります。この閲覧請求については、手続きの時間も早く、原則として申請書の提出日において内容を閲覧することが出来ます。

とりわけ、閲覧請求について近年大きな要件緩和がなされています。具体的には、スマートフォンやデジタルカメラを使っての撮影(静止画のみ。動画は不可)が認められたことです。このため、メモ等する必要もなく、内容を正確に把握することができます。

この要件緩和は非常にありがたい内容です。と言いますのも、閲覧請求をよく使うのは税理士だからです。税理士は過去数年間申告がなかった納税者の申告をすることもありますが、この場合には無申告になる前の、過去税務署に申告した申告書の内容を把握する必要があります。このような場合、税理士は納税者の委任状を以て閲覧請求をする訳ですが、従来はその内容を逐一メモしていた訳で、撮影ができるのであれば時間短縮に大いに役立つという訳です。

開示請求の手続き方法

一方で、開示請求は控えをもらう手続きになりますから、時間と手間がかかります。

そもそも、開示請求は情報公開制度の一環として認められたものである、このため個人情報開示請求書といった資料を税務署に提出する必要があります。この場合、本人確認書類はもちろんのこと、所定の手数料もかかりますので注意が必要です。

これらの資料が揃った後、税務署で審査が行われ、開示されるか否かが決定されることになります。この決定については、原則30日以内とされていますので、相応の時間がかかることも踏まえて申請を行う必要があります。

なお、確定申告書の控えについては、個人事業主等が住宅ローンなどを申し込む際の、所得証明として必要になることがほとんどです。こうなると、確定申告書の控えは代替が利きませんので、保存には注意しましょう。

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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