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売買目的有価証券の範囲と税務上の取扱いを元国税の税理士が解説

法人税において、売買目的有価証券と言われる有価証券があります。これは文字通り売買することを目的に取得したような一定の有価証券を意味しますが、この有価証券については特別な取扱いが設けられています。具体的には、期末に売買目的有価証券を保有している会社は、その期末時点の時価を計算し、評価益が生じればその分課税の対象になり、評価損が生じればそれは経費として利益を減らすことが出来ます。

このように、売買目的有価証券は期末で時価評価を行う必要があるとされています。法人税は基本的に、時価評価を認めていないため、例外的な取扱いとなっています。

売買目的有価証券とは

ここで問題になるのは売買目的有価証券の範囲です。原則として、売買目的有価証券に該当するのは2種類とされています。一つは専担者売買有価証券と言われるもので、もう一つは短期売買有価証券と言われるものです。

専担者売買有価証券とは,いわゆるトレーディング目的で取得した有価証券をいいます。ただし、国税が出している通達によると、基本的には、法人が特定の取引勘定を設けて有価証券の売買を行い,かつ,トレーディング業務を日常的に遂行し得る人材から構成された独立の専門部署により運用がされているような有価証券を意味するとされています。

これを前提とすると、大会社は別にして、一般的な中小企業の場合、このような専門部署を作って取引することは原則としてないと思われますので、この専担者売買有価証券を目にすることは実務上多くないと思われます。

短期売買有価証券

一方で、短期売買有価証券とは,法人が税法で定められた所定の方法に基づいて、その有価証券の取得の日に、その有価証券を売買目的有価証券といった勘定科目により区分している場合の有価証券を意味するとされています。このため、帳簿の記載が重要であり、帳簿で区分して記載していないような場合はこれには当たりません。

実際のところ、国税庁の通達によれば、短期的に売買し,又は大量に売買を行っていると認められる場合でも、所定の区分がなされていないものについては、短期売買有価証券に該当しないとされています。

このため、実質的に判断されることもなく、これに該当することも多くはないと考えられます。

実務対応としては

こういう訳で、一般的な中小企業の実務では売買目的有価証券を目にすることは多くありません。しかし、その反面、上記のような処理がなされていれば適正な時価評価が必要になりますので、その点失念しないように注意する必要があります。

専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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