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結婚時にどうして離婚の条件をきめるの?大渕愛子さんも作った婚前契約のメリットを弁護士が解説!

俳優の金山一彦さんと8月に結婚した弁護士である大渕愛子さんが今月12日に放送された日本テレビ系「行列のできる法律相談所 秋の2時間SP」にて婚前契約の内容を明らかにしました。

その中でも特に注目されたのが「自分で稼いだものは自分のもの」と明記した部分ではないでしょうか?

婚前契約では、結婚前にあらかじめ夫婦生活に関する取り決めを行うものです。海外では常識になりつつ有りますが、日本では婚姻時に離婚することを前提としたこういった「婚前契約」には抵抗がある方が多いようです。

今回は婚前契約のメリットとデメリットを寺林智栄弁護士が解説!

そもそも最も多い離婚の原因はなんでしょうか?

平成13年の司法統計によると、最も多い離婚原因は「性格の不一致」です。

その後は、妻の側から見た場合には、夫の異性関係や暴力、夫の側から見た場合には、妻の異性関係や浪費などが続いているようです。

「性格の不一致」と一言で言っても、その実態は夫婦によってさまざまではないでしょうか。

育児方針や親族との付き合い方に関する考え方の違いという大きな問題に関する見解の不一致から、掃除のやり方、箸の上げ下ろし、といったごくごく細かい問題まで幅広く含みます。

しかし、どんな問題も積み重なれば、愛情が薄れて離婚原因に発展しうるのです。

婚前契約の有効性を教えて下さい。

婚前契約の有効性は、その定めている内容によるのではないでしょうか。

もちろん、原則的には有効です。合意文書ですから、夫婦双方の署名捺印が本人のものに間違いないのであれば、お互いに納得して通常考えられるからです。

例えば、離婚時の慰謝料の額の取決めにつき、夫の妻に対する支払いについてのみ、法外な金額が定められているような、内容が著しく不公平な条項については、争いが生じたときに、無効と判断される可能性があります。

婚前契約のメリットとして考えられるのは、予め財産分与の割合や養育費の額などを決めておくことによって、離婚時のもめ事を回避できる可能性があるということです。

逆にデメリットとして考えられるのは、財産隠しの可能性や離婚原因そのものに対する争いが深刻になる可能性があるということでしょうか。

離婚するケースというのは、お互いに対する愛情や信頼がなくなっている場合が多いものですし、双方、今後の生活というのを意識しなければなりません。

婚前契約を結ぶ時というのは、いわば双方のお互いに対する愛情がマックスまで高まっている状態ですから、ある意味、後先を考えていないといえます。

しかし、離婚の現実を目の前にすると、「相手にこれ以上は取られたくない」という心理が働くものです。

そのため、本来分与の対象となるべき財産(婚姻後に共同あるいは配偶者個人の名義で取得した財産。相続財産は含みません)の全部または一部を隠したりすることが考えられます。

不定や暴力による離婚の場合に払う慰謝料の額などが定められているケースでは、相手が主張する不貞や暴力、浪費などの離婚原因が存在しない、あるいはむしろ相手が離婚原因を作ったなどと主張され、かえって離婚をめぐる紛争が長期化するということも予想されるでしょう。

婚前契約を依頼するときの費用はどれくらいでしょうか?

この点については、法律事務所ごとで違いがありますので、何とも申し上げられません。

法律相談料については、全国的に見て30分5400円(消費税込)の事務所が多いと思いますが、都市部では初回相談無料といった事務所も増えているようです。

また契約書作成の費用についても、弁護士に依頼するのであれば、最低でも10万円前後がスタンダードではないかと思われます。条項の数が多くなったり、あるいは特殊な条項が入るような場合には、料金加算といった可能性もあります。

また、契約書を公正証書とする場合には、別途公正証書の作成費用が発生します。
婚前契約書を作成することを考えているカップルは、まずは、その内容やかかる費用について、弁護士に相談されるのが良いと考えます。

取材協力弁護士  寺林智栄 ともえ法律事務所 事務所Facebook Blog
東京弁護士会所属。様々な会務活動をこなしながら刑事事件や離婚問題、労働問題、借金問題、詐欺、不当請求などに取り組んでいます。一人でも多くの方々の悩みの解決のために邁進中。

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