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裁判員裁判への出頭を断ることができる4つの理由!

裁判員法第52条により、裁判員には出頭義務が課せられており、裁判員になることについては、格段の理由がない限り拒否できません。

貴方にもいずれ訪れるかもしれない裁判員ですが、勿論やむを得ない事情があれば辞退も可能です。

今回はどんな理由なら辞退が可能か、川瀬裕之弁護士に聞いてみました。

基本的には辞退が難しいとのことですが、どういった事情であれば辞退が可能なのでしょうか?

裁判員制度は、その制度の目的が、幅広い国民に裁判に参加してもらうことにありますので、原則として、辞退ができないことになっています。
ただし一方で参加する裁判員の負担が重くならないように、「やむを得ない理由」がある場合には、辞退が認められます。

(1)(自分の)病気や怪我、妊娠などの理由がある場合
(2)家族が病気、怪我、妊娠、介護などで、自分が付添をしなければならない場合
(3)冠婚葬祭に出席しなければならない場合
(4)仕事で、自分がいないと損害が生じてしまうような場合

では、そのような理由がない場合で、どうしても辞退したい場合には辞退が認められないのでしょうか。
例えば制度自体に反対である、制度自体には賛成だが自分が人を裁くことはできない、等の考えや事情がある場合、裁判所から送られてくる質問票に、そのような理由を詳しく書くことによって、辞退が認められる場合もあると考えられます(「良心的裁判員拒否」と言います。ただし法律に定められている訳ではありません)。

辞退するとペナルティもあるのでしょうか?

裁判員の拒否には、その段階に応じて,法律上のペナルティがあります。

(1)裁判員の選任手続の際に、正当な理由無く、裁判所の呼出に応じない場合
(2)裁判員に選任されたにもかかわらず、正当な理由無く、裁判に出席しない場合
(3)裁判に出席しても、「法令に従い公平性日にその職務を行う」との旨の宣誓を拒否した場合

それぞれ10万円以下の過料の制裁を受ける可能性があります。
ただ実際には、そのような制裁が科されることは殆ど無いようで、私も聞いたことがありません。

取材協力弁護士  川瀬 裕之 川瀬裕之法律事務所 Twitter Blog
福島県弁護士会所属。会計事務所系コンサルティングファームでの勤務経験や米国公認会計士試験合格など、コンサルタントとして更なる飛躍を目指し、2008年に弁護士登録。相続や離婚、債務整理といった民事事件から、ベンチャー企業の支援、私選・国選の刑事事件と、企業法務に限らず、幅広い分野で活躍。

山田灯火(やまだ とうか) Blog