法律問題は相談LINEで解決!

HOME > 法律コラム > 極ZEROの酒税問題で成果を上げた国税。しかし国税職員の不祥事が多いことをご存知ですか?

このエントリーをはてなブックマークに追加

極ZEROの酒税問題で成果を上げた国税。しかし国税職員の不祥事が多いことをご存知ですか?

サッポロビールの極ZERO。発泡酒として再発売することが決まり、116億円追加納税が決まりました。

ところで国税庁・国税局・税務署の職員というと、一般納税者に対して税金を課し、徴収することが仕事ですから、「お堅い」というイメージがありますが、実のところ不祥事が多いこともまた事実です。

6月6日に「大阪国税局元調査官を懲戒免職 税額低く抑え、見返りに現金」(日本経済新聞)の記事がでました。

「大阪国税局元調査官を懲戒免職 税額低く抑え、見返りに現金」

「税務調査先の税額を低く抑える見返りに現金約340万円を受けとったなどとして、大阪国税局は6日、大阪府内の税務署に勤務していた元上席国税調査官の男性職員(52)を懲戒免職処分にした。他に、確定申告書の作成などを請け負った対価として計920万円も受けとっていたという。

国税当局は6日、公訴時効にかからない2万円分の収賄容疑などで職員を大阪地検に書類送検した。
国税局によると、職員は1996年3月~99年8月、所得税の税務調査先の12人から税額を低く抑える見返りとして現金計345万6千円を受領。昨年12月にも税務調査に立ち会った人物から現金2万円を受けとった。

また、今年3月までの18年間に税務調査などで知り合った21人と1社から確定申告書の作成などを請け負い、うち17人と1社から対価として計920万円を受けとった。

税務調査の便宜供与や申告業務の請け負いは職員側から持ち掛けていたという。不正に得た金は競艇による借金の返済や遊興費などに充てていたという。」

記事自体はあまり大々的に取り上げられていませんでしたが、内容はヒドいものです。

税務調査で追徴税額を安くしてあげるよ、と自分から持ちかけて、個人的にお金を受け取っていたのですから、国家権力を乱用した悪質な犯罪です。

脱税指南、情報漏洩、児童買春、盗撮などなど

国税職員の不祥事を調べてみると、年に1件や2件ではなく、出てくる出てくる・・・不祥事の内容もさまざまで、直近の不祥事だけでも「情報漏えい」「児童買春」「盗撮」「脱税指南」など、本当に公務員か!?と思える事件ばかり。

国税職員といっても、全国に56000人も在職しており、ホンの一部の人間が不祥事を起こしていることはわかるのですが、税務調査でエラそうな言動を繰り返している立場の人間が、裏側でこれなら・・・と誰でも思いますよね。

国税内部では、以前から国税職員の不祥事を減らすため、研修を増やしたり、内部規律を厳しくはしていますが、その効果は逆で、不祥事の件数は年々増えています。

納税者に対して、税金のことを厳しく言うなら、まず自分たちが・・・お願いしますよ、国税職員さん。

執筆  久保憂希也
1977年 和歌山県和歌山市生まれ
1992年 智弁学園和歌山高校入学
1995年 慶應義塾大学経済学部入学
2001年 国税庁入庁 東京国税局配属
東京国税局管内の税務署で税務調査を担当。
2008年 ㈱InspireConsultingを設立。税務調査のコンサルタントとして活動。
人気のセミナー講師として年間50回以上、セミナーの壇上に立つ。
著書には、「~元国税調査官が斬る~税務調査の真実」「元国税調査官が解説
実例・判決で学ぶ税務調査の深奥」「元国税OBによる税務調査と実務対応」「社長、御社の税金は半分にできる!」
「社長、税務調査の損得は税理士で決まる!」「すべての日本人のための 日本一やさしくて使える税金の本」など、多数。

20代で絶対に身につけたい数字力のルール
20代で絶対に身につけたい数字力のルール
詳しくはこちら