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印紙の金額が異なる2種類の印紙税とその領収書を分かりやすく解説!

領収書には印紙が必要ですが、印紙税の法律上、領収書は大きく二つに分けられます。一つは、売上代金の領収書と言われるもので、飲食店等で飲み食いした場合にもらう領収書が該当します。この飲食代は、飲食店にとって売上代金ですから売上代金の領収書と言われるのです。

もう一つは、売上代金以外の領収書です。この領収書は、銀行からお金を借りて元金を返済した際に、銀行が発行する元金の返済に対する領収書などが該当します。銀行にとって、売上代金となるのは貸付金の利息であり、元金部分は自分が持っていたお金を貸しただけで、お客からもらう売上にはなりませんので、売上代金以外の領収書に該当することになります。

同じように、後日大家が借主に返還しなければならない敷金の領収書も、売上代金以外の領収書に該当します。

売上代金とそれ以外の印紙はどう使い分ける?

印紙税の領収書はこのように二種類あるのですが、種類によって貼るべき印紙の金額も異なります。売上代金の領収書は、領収する金額に応じて高い金額の印紙が必要になりますが、売上代金以外の領収書は、領収する金額に関係なく一律200円となっています。

このため、領収するお金が売上代金に該当するか否かが問題になりますが、その区分は対価性があるか、という観点から考えます。サービスの提供や、商品の販売を行うことで見返りにお金をもらうことができますが、この見返りがあることを対価性と言います。

対価性がある場合には売上代金の領収書として金額に応じて印紙をはり、そうでない場合には売上代金以外の領収書として一律200円の印紙を貼ることになります。

ただし、領収する金額が5万円未満であれば印紙は必要ではありません。5万円まで領収書は非課税、という話を聞いたこともある方も多いと思いますが、その取扱いは売上代金以外の領収書も同様です。

両方該当する場合はどうする?

その他、不動産大家が敷金と不動産賃料の両方を受領して領収書を一枚で切る場合、敷金の領収書は売上代金以外の領収書、賃料の領収書は売上代金の領収書に該当しますから、この一枚の領収書はどちらの領収書にも該当します。このような場合には、売上代金の領収書になる、というルールが定められています。

執筆  松嶋洋 WEBサイト
平成14年東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後、経団連関連の税制研究所において、法人税制を中心とするあるべき税制の立案と解釈研究に従事。現在は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事するとともに、税理士向けに税務調査・法令解釈のノウハウにつき講演執筆活動を行う。

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