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お会計が5万円を超え「申し訳ありませんが、領収書を分けてもよろしいでしょうか?」←この意味をご存じですか?

今年4月から、領収書に貼付する印紙の基準金額が変わりました。
今までは、3万円以上の領収書(レシート)には、200円の印紙を貼らなければなりませんでしたが、4月以降は「5万円以上」の領収書(レシート)に200円の印紙が必要となりました。
以前は、7~8人で居酒屋に行けば印紙が貼られていたのですが、今は相当な人数でなければ印紙が不要となったわけです。

普段全く意識しない印紙。ただ店側としては立派なコストの1つ。

さて、この印紙なのですが、領収書をもらう方からすると、何も損するわけではないので、イチイチ気にしていないのでしょうが、店など貼る方からするとコスト(税金)ですから、できるだけ貼らなくていいように考えたくなるものです。

そもそも印紙はどのような場合に必要なのでしょうか?

印紙コスト削減のためには紙を発行しないこと

まず、印紙を貼らなくて済む方法は、「紙を発行しないこと」です。
例えば、取引がある会社同士で締結する契約書にも、種類によって印紙が必要になるのですが、そもそも印紙は、契約書という「紙に」貼付が必要になります。つまり、契約書を発行しなければ、印紙を貼らなくてもいい、となるのです。

契約内容をお互いがメールなどで確認・合意し、契約書を印刷しなければ、印紙を貼る必要はありません。メールを残しておけば、お互い合意したことには間違いなく、契約書という紙を印刷して捺印しなければ、契約が成立しないわけではありませんから、実際のところ、契約書を発行する必要性というのは無いといえます。

なお、契約書は通常、契約を締結する双方が捺印するので、まったく同じ内容の契約書を2通作成するのですが、印紙は2通ともに貼付が必要になります。つまり、契約書を印刷しなければ、印紙は2倍うくことになります。

5万円以上でも割り勘で領収書を分ければ印紙は必要ありません。しかし・・・

話を居酒屋に戻すと、店側もお客さんが「領収書やレシートはいらない」と言ってくれれば、紙を発行する必要性がないわけですから、支払金額が5万円を超えても、200円の印紙は不要なのです。

では、こういう場合はどうでしょうか。支払金額は6万円なのですが、領収書を3つに分けて2万円×3枚の領収書を発行するケースです。割り勘をしたお客さんの場合、領収書を分割するのが普通なので、よくある要望ですよね。

この場合、支払い総額は5万以上なのですが、領収書1枚あたりの金額は5万円に満たないため、印紙を貼る必要はありません。

印紙を逃れるために、店側から「領収書を分けてもいいですか?」とお願いされることがあれば、その目的は・・・

執筆  久保憂希也
1977年 和歌山県和歌山市生まれ
1992年 智弁学園和歌山高校入学
1995年 慶應義塾大学経済学部入学
2001年 国税庁入庁 東京国税局配属
東京国税局管内の税務署で税務調査を担当。
2008年 ㈱InspireConsultingを設立。税務調査のコンサルタントとして活動。
人気のセミナー講師として年間50回以上、セミナーの壇上に立つ。
著書には、「~元国税調査官が斬る~税務調査の真実」「元国税調査官が解説
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